畑岡奈紗、米5勝の祝勝会は「やっぱりお肉が一番」 母・博美さんと「ステーキには赤ワインかな」


◆米女子プロゴルフツアー アーカンソー選手権 最終日(26日、米アーカンソー州ピナクルCC=6438ヤード、パー71)

 首位で出た畑岡奈紗(22)=アビームコンサルティング=が5バーディー、1ボギーの67で回り、通算16アンダーで7月以来の今季2勝目を挙げた。今大会では2度のホールインワンを記録した。米ツアー17勝の岡本綾子、9勝の宮里藍に次ぐ日本歴代単独3位となるツアー5勝目を、22歳256日の日本勢最速で手にし、日米通算でも10勝目。ミンジ・リー(オーストラリア)らが1打差の2位。笹生優花(20)=ICTSI=が4位に入った。

 勝利の瞬間を喜ぶ余裕すらなかった。畑岡は「ボールを置くときは全部、手が震えていた」という最終18番、ようやく3パット目で1メートルのパーパットを沈めた。結果は1打差逃げ切り。リーらメジャー優勝経験者たちに追われ、「今まで優勝した中で一番緊張した」と息をついた。大歓声を受けても「現実なのか、よく分からなかった」と苦笑したが、「勝てたのは大きな自信になった」と安どした。

 初日(11番)、2日目(6番)と2日連続のホールインワンを記録するなど生命線のショットが支えとなった。首位タイで出ると、2番では競り合うリーが1・5メートルの好機につけた直後、ピンそば1メートルにつける見せ場十分の2連続バーディーで流れをつくった。5つ目のバーディーとなった11番で後続に3打差をつけた。「最後まで(勝利が)分からない中、自分らしいショットができた」。重圧にも中盤までの貯金が生きた。

 この日、風の中でグリーンを外したのは1度。3日間のパーオン率90・7%は3位。18年大会でツアー初優勝した相性の良さを生かし、同一大会で2度エースを達成したツアー史上の過去4人がその大会を勝てなかったジンクスを覆した。

 8月の東京五輪は9位に終わり「長年の目標だった金メダルも達成できず、本当に悔しかった」。母の博美さんが「隠れて泣いていたと思う」というほど落ち込んだ。失意の底から武器のショットを土台に立て直しに成功。試合後は母との祝勝会について「やっぱりお肉が一番。ステーキには赤ワインかな」と笑った。

 米女子ツアーでは日本人歴代3位の5勝目に、22歳256日の最年少で到達した。今季獲得賞金は1位のネリー・コルダ(米国)と約54万ドルの差はあるが、140万3159ドル(約1億5540万円)でランク2位に浮上。憧れる宮里藍さんが12年に勝った舞台で同じトロフィーを持ち「バトンを引き継いで盛り上げたい。藍さんは(通算)9勝。ここからは10勝を目指してやっていきたい」と次なる目標を見据えた。

 ◆米女子ツアーでの日本人の通算5勝 日本女子歴代最多の岡本綾子(17勝)、宮里藍(9勝)に続く3人目。岡本は33歳だった84年10月の日立レディス・ブリティッシュオープン、宮里は25歳1日だった10年6月のショップライト・クラシックで達成しており、22歳の畑岡は日本人最年少での5勝到達となった。また、日本女子の米ツアー2度以上の年間複数回優勝は計4度の岡本、計2度の小林浩美、宮里に続く4人目となった。

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