◆女子プロゴルフツアー ▽2021年メジャー第3戦 日本女子オープン 第2日(2日、栃木・烏山城CC=6550ヤード、パー71)
30位から出た西村優菜(21)=スターツ=が8バーディー、ボギーなしでこの日ベストスコアの63で回り、通算9アンダーで単独首位に浮上した。63はパー71設定では大会新記録で、ツアー全体としても最少タイ記録となった。さらに、史上3人目&最年少のツアー3週連続優勝をメジャーで飾れば初の快挙となる。同会場での16年大会、アマチュアでツアー初出場ながら6位に入った思い出の舞台でメジャー2勝目に近づいた。
台風一過の秋晴れの下、西村が名門コースを攻略した。全選手の平均ストロークは73・280と伸ばし合いではなく、耐える展開。最終18番、6メートルのバーディーを決めると満面の笑みを浮かべた。「大勢の観客の前で本当にうれしい」。今季最多4107人が詰めかける中、8バーディーで単独首位に浮上した。
パーオン率94%は全体1位。唯一グリーンを外した8番でバンカーから2メートルに寄せてパーセーブ。「流れに乗っていけた」と、ここから5バーディーを重ねた。パー71での63(8アンダー)は、大会では16年3ラウンド(R)の田仁智の66を3打更新。ツアー全体では19年フジサンケイレディス3Rの申ジエ(ともに韓国)に並び最少となった。
悪天候により中止となった前日1日は、近隣の練習場で中島敏雅コーチとショットを中心に調整した。初日(9月30日、70で30位)に「守りに入ってしまった」という反省を生かし、「今日は行けるところは行こう。ショットに自信を持てたからこそできた」と、体の開きを修正して臨み、奏功した。「私にとってはいい時間だった」と“恵みの雨”を生かした。
1988年のツアー制施行後では2007年全美貞(韓国)、19年鈴木愛に次ぐ、3週連続優勝が懸かる。しかも21歳は最年少、メジャーを含む3連勝なら史上初だ。「3週連続というよりメジャー大会(制覇)に向けて頑張りたい」と言い切った。
烏山城CC開催の16年大会は、アマとしてツアー初出場で6位。最難関の17番は「5年前は全て刻んでいたけど、今年は2回パーオンできて満足」と、2Rともパーで回り成長を実感した。5月のワールドレディスサロンパスカップに続くメジャー2勝目なら、5年シードを獲得するチャンス。記録ずくめの優勝へ「自分のゴルフがあと2日できれば」と気を引き締めた。(岩原 正幸)