
優勝を決めガッツポーズを見せる原英莉花
◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス 最終日(21日、愛媛・エリエールGC松山=6545ヤード、パー71)
単独首位で出た原英莉花(22)=日本通運=が、通算17アンダーで今年初優勝&通算4勝目を飾った。1イーグル、2バーディー、1ボギーの68。17番のイーグルで混戦を抜け出し、約1年ぶりVに涙した。賞金女王争いはトップの稲見萌寧(22)=都築電気=、ランク2位の古江彩佳(21)=富士通=ともに8アンダーの19位で、最終戦のJLPGAツアー選手権リコー杯(25~28日、宮崎)での決着となる。
18番、パーパットを沈めると原の目から涙があふれた。「1年間、思うようなゴルフができなかった。体(腰)が痛かったり、今年は勝てないんじゃないかって。やっと優勝できて幸せです」。昨年11月の最終戦・ツアー選手権リコー杯以来の歓喜の瞬間に酔いしれた。
2打リードでスタートも、19年賞金女王の鈴木愛ら後続が猛追した。終盤は4人が首位に並ぶ大混戦。「17番はパー5だし、じっと待とう」と自身に言い聞かせた。17番、第1打が右の池につかまりかけたが、「(池まで)1歩分。ここで止まったのが奇跡」。第2打を7ウッドで8メートルに運んでイーグルを奪い、「こんなことってあるんだ」と勝利を大きく引き寄せた。
この1年は気持ちが揺れ動いた。4月に海外メジャー、ANAインスピレーション(米国)に挑戦も直後に腰を痛め、夏までは満足に練習できない時期もあった。クラブ変更など試行錯誤を重ね、「目先の大会で結果を出したいけど、海外でも(通用するゴルフをしたい)という気持ちもあり、本当に苦しかった」と葛藤を振り返った。「体が資本だな」と胸に刻むとともに、思い悩んでも「勝ちたい気持ちと、できると信じることが大事」と再確認できた。
10月上旬には「優勝するまで願掛けで」と、禁酒を決断した。ようやく解禁となり、祝杯は「(最終戦がある)宮崎でウイスキーが飲みたい」と笑った。2戦連続優勝と連覇が懸かる大一番へ、「勝つ気で挑みたい」と晴れやかな表情だった。(岩原 正幸)