松山英樹は最終日2差逆転でアジア人最多8勝目に挑む 「明日も引き続き良いプレーができるように」


◆米男子プロゴルフツアー ソニー・オープン 第3日(15日、米ハワイ州ワイアラエCC=7044ヤード、パー70)

 日本男子歴代最多7勝の松山英樹(LEXUS)が6打差5位で出てショット、パットともに好調で7バーディー、ボギーなしのベストスコア63をマーク。通算16アンダーで、首位と2打差の2位に浮上した。

 風も穏やかな常夏の島のムービングサタデーでマスターズ王者が、ギャラリーを熱くさせた。好きな色の青のウェアに身を包んだ松山が、大会自己最少スコア63をたたき出した。2番でだいアイアンでの2打目をピン下3Mにつけてバーディー先行。7番パー3もアイアンでの第1打を1・5Mにつけて伸ばした。9番パー5は2オン2パットのバーディーで3つ伸ばして前半を折り返した。

 後半はグリーン上でさえ渡った。12番は第2打をピン左1Mにつけて伸ばした。13番は11Mのロングパットを強めに打ち切って連続バーディー。14番でピン奥4Mのパーパットを冷静に沈めると、15番も4Mを決めて伸ばした。18番はピン右4Mを沈めてバーディーフィニッシュで、大きな拍手を浴びた。3日間54ホール194打も、ツアー自己最少記録を3打更新した。

 周囲の喧騒をよそに、ホールアウト後のテレビインタビューでは冷静に言葉を選んだ。「状態は、昨日終わった後の練習ですごく上がりそうだったんですけど、今朝はすごく悪かったので。どうしたらいいのかな、とスタートしていきました」と決して絶好調ではなかったことを告白した。

 ハワイ特有の芝目の強いグリーン、粘りけのあるバミューダ芝のラフに長年苦戦してきた。過去8度の出場で、20年の12位が最高で予選落ち3度。ツアー屈指の苦手コースだったが、今大会はパットの好調を維持しており、この日は計24パット。「12番、13番、14番くらいはラインを読めていたんですけど、あとはミスパットが入った感じだったので、何か不思議な感覚はありました。入っているということは、そんなに悪いことをしている訳じゃないと思うので、明日も引き続き、良いプレーができるようにしたいなと思います」と謙虚に受け止めた。

 例年以上に深いラフに苦しむ選手が目立つ中、この日フェアウェーを外したのは3ホールだけ。「フェアウェーからでもグリーンを外すと、今週は特にバンカーやアプローチが良くないので。やっぱりフェアウェーキープは、すごく大事になるんじゃないかなと思います」と最終日の勝負を分けるポイントの1つに挙げた。

 2013年大会王者で通算3勝のラッセル・ヘンリー(米国)が67で回り、18アンダーの単独首位をキープ。単独2位の松山はヘンリーと2人での最終日最終組となった。「ここのコースでこんなに良い位置で回れると思っていなかったので。楽しみな位置で終われて良かったなと思います」と、ホールアウト後も練習場で目沢秀憲コーチとともに入念な調整で汗を流していた。

 1983年に青木功が日本男子初の米ツアー制覇を遂げた大会で、崔京周(韓国)に並ぶアジア人最多の米ツアー通算8勝目に挑む。

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