石川遼専属キャディー佐藤賢和さん、妻・北田瑠衣さんと宮城での「大家族田舎暮らし」語る…頑張る東北人


食卓を囲む賢和さん(後列左から3人目)と瑠衣さん(右から4人目)ら佐藤家の人々(賢和さん提供)

食卓を囲む賢和さん(後列左から3人目)と瑠衣さん(右から4人目)ら佐藤家の人々(賢和さん提供)

 男子プロゴルフ・石川遼の専属キャディーを務める佐藤賢和(よしかず)さん(41)と、女子プロゴルフツアー通算6勝の北田瑠衣さん(40)夫妻は、宮城・黒川郡大和町にある佐藤さんの実家で生活している。2人の子どものほか両親、祖母ら8人の“大家族田舎暮らし”に迫った。(取材・構成=岩崎 敦)

 佐藤家があるのは、仙台市から車で1時間弱の大和町。8LDKの自宅は2世帯仕様ではなく父・彰さん(68)、母・美和子さん(65)、長女・汐莉ちゃん(4)、長男・光之輔くん(2)のほか父方の祖母・はき子さん(90)、母方の祖母・きよさん(86)の8人が同じ食卓を囲む。隣には妹・志保さん(29)と夫・岩渕駿さん(30)が住んでいる。人気テレビ番組「秘密のケンミンSHOW極」に出てきそうな大家族の暮らしだ。

 2人は17年に入籍。瑠衣さんはツアーの第一線から退き、18年9月から宮城での生活が始まった。

 瑠衣(以下、瑠)「東京で生活する考えはなかったですね。1人目の子供がお腹にいたとき父が亡くなって。私は一人っ子で、母もプロになる前に亡くなっていました。お互い家族が好きで、ヨシくんも家族を大事にする人。ヨシくんのご両親もおばあちゃんも、すごくいい人だったから一緒に住みたいと思いました」

 賢和(以下、賢)「僕は長男。親から強制はされていませんが、田舎の風習で一緒に住むのが当然だと思っていたから、この生活は自然ですね」

 2人の考えが一致した新婚生活だが、瑠衣さんのプロ仲間からは「絶対無理でしょ」「大丈夫?」と、地元の福岡から遠く離れた場所での生活を心配された。

 瑠「今はみんな『良かったねえ』と言ってくれます。こっちに来てまだ4年ですけど、ずっとここにいる感じ。私の理想の生活は大家族と田舎だったから、願いが全部かなっちゃった」

 賢和さんはシーズン中は世界中を転戦するため、家にいられる時間は少ない。瑠衣さんはBSやCSのゴルフ放送をつけ、子どもにパパの仕事を認識させようとしている。汐莉ちゃんはバンカーをならす姿を見て「パパ、おそうじしてる」と笑い、石川に飲み物を渡す場面では「パパ、優しいねえ」と話したという。

 賢「独身のころは年間1か月ぐらいしか実家に帰らなかったけど、今は1日の休みでも帰りたいですね」

 瑠「オフは子育てを頑張ってくれています。一緒にお風呂に入ったり、寝かしつけてくれたり」

 佐藤家から車で約30分と近い利府GCで開催される9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンの前後は、多くの女子プロが遊びに訪れる。

 瑠「ゲストルームに泊まってもらうから、大家族がもっと増えたみたい。忙しいけど楽しいですね」

 賢「泊まったプロが予選落ちしないことを願っています。去年の若林舞衣子プロと藤本麻子プロは決勝ラウンドに進んだのでホッとしました」

 最後に、今後の夢を聞いた。

 瑠「女子のレジェンズツアー(45歳以上)に出られるよう頑張りたい。今年8月にはママさんプロが出場する試合ができるので、そこに出られれば。久々に(契約する)ダンロップさんに新しいドライバーをお願いしちゃいました」

 賢「マスターズに行ってみたい。1年間石川プロと頑張って、出場権を取れればいいですね」

 ◆佐藤 賢和(さとう・よしかず)1980年4月8日、宮城県生まれ。41歳。15歳からゴルフを始め、東北福祉大では宮里優作と同級生。卒業後はスウェーデンへの留学などプロを目指していたが、2006年に優作の誘いでプロキャディーの道へ。15年から石川の専属を務め、片山晋呉、渋野日向子らトッププロのバッグを担いでいる。

 ◆北田 瑠衣(きただ・るい)1981年12月25日、福岡県生まれ。40歳。11歳からゴルフを始め、2002年にプロテスト合格。04年のニチレイカップワールドレディスで初優勝を果たすと、同年は3勝を挙げ賞金ランク3位(5901万7912円)。05年の第1回W杯(南アフリカ)では、宮里藍さんとのコンビで世界一に輝いた。

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