18歳・佐藤心結がプロ1年目「いいスタートを」 昨年POで渋野日向子に敗れるも自信に…インタビュー


プロデビュー戦に向けて調整する佐藤心結(本人提供)

プロデビュー戦に向けて調整する佐藤心結(本人提供)

 女子プロゴルフツアーの今季開幕戦、ダイキンオーキッドレディスは3日から4日間、沖縄・琉球GCで開催される。昨年のプロテストで一発合格した注目のルーキー・佐藤心結(みゆ)=ニトリ=が、このほどスポーツ報知の取材に応じ、デビュー戦での「上位争い」を目指す。昨年10月のツアー、スタンレーレディス(L)で日米通算7勝の渋野日向子(23)と優勝争いを演じ、脚光を浴びた18歳に迫った。(取材・構成=宮下 京香)

 昨年のプロテストで一発合格した。佐藤は今年1月1日に日本女子プロ協会に入会し、プロゴルファー人生の門を開いた。

 「今年に入ってプロ意識が徐々に出てきて。練習場で声をかけてくださる方もいて実感がわいてきました。プロとして戦えることをうれしく思います」

 昨年10月のスタンレーL。ツアー4戦目のアマが第2日を終えて首位に。最終日は4人のプレーオフ(PO)の末、優勝した渋野に敗れ2位となったが、鮮烈な印象を残した。

 「それまではプロの試合では自信がなくて場違いだと思っていた。優勝争いをしたことは自分でも驚きました。人生で初めてのPO。初めての経験を多くさせてもらい、1打の重みを感じました」

 ツアー史上8人目のアマVとなればテストを通らずにプロになれたが、惜しくも逃した。そのわずか2日後にプロテスト2次が始まり、最終テスト4位で合格した。

 「負けた時は悔しくて泣いてしまったけど、次の日から(テスト会場に)行くのは決まっていたから、夜には気持ちを切り替えました。渋野プロは今季から米国に行ってしまうけど、日本ツアーに参戦される時は一緒に回れたらうれしいし、成長した姿を見せたいです」

 スタンレーLでは飛距離でも驚かせた。3日間の平均飛距離は260ヤードで全体1位。高弾道なショットで魅了する飛ばしの礎は中学時代にある。

 「陸上部で砲丸投げをしていました。練習メニューは瞬発系が多く、20メートルダッシュや坂ダッシュと下半身がメイン。地面反力を使ってメディシンボールを飛ばしたり。それがスイングにも生きていると思います」

 茨城・明秀学園日立高ゴルフ部では、水城高時代に男子ツアー通算31勝の片山晋呉(49)らを育てた石井貢総監督の指導を受けた。月曜日と木曜日は近隣のゴルフプラザトーヨーで打撃練習。火、水は日立GCでラウンド。整った環境でゴルフ漬けの3年間を送り、同校3人目(高久みなみと同期合格)のプロとなった。

 「石井先生からは『練習は試合のように。試合は練習のように』と精神面で教わりました。たくさんの方々の協力があって技術向上につながったと思います」

 ツアー出場権を懸けた昨年末の最終予選会は11位となり、3日からの今季開幕戦、ダイキンオーキッドレディスでプロ初戦を迎える。昨年のスタンレーL、同プロテストでもキャディーを務めた三觜(みつはし)喜一コーチ(47)とタッグを組んで挑む。

 「デビュー戦でいいスタートを切りたいです。上位争いできればいいけど、まずは予選通過を目指してやっていきたいです」

 実力と人気が高まる女子ツアーで、期待の新星がプロとしての階段を一段ずつ駆け上がっていく。

 ◆佐藤の昨年のスタンレーLのVTR 第1ラウンド(R)は67で2位発進。第2Rは69をマークし、首位浮上。88年のツアー制施行後、史上8人目のアマ優勝&日本人で最速タイのツアー4戦目Vがかかった最終日は、70の通算10アンダーで渋野日向子、木村彩子、ペ・ソンウと首位に並びホールアウト。4人でのPOは18番パー5で行われた。佐藤の2ホール目の第3打は「完璧」だったが、ピンに当たる不運もありバーディーならず。渋野が第3打を1メートル半に寄せるバーディーで制した。

 ◆今季ツアー開幕戦に出場する主な新人 新型コロナの影響で、20年秋に予定された最終プロテストは、21年6月に延期して開催。20年度の93期合格組では、00年生まれ「ミレニアム世代」の後藤未有、小倉彩愛らがおり、昨年末の予選会上位者として参戦。佐藤は21年11月の最終テストに合格した94期生。93年、94年賞金女王の平瀬真由美のめい、竹田麗央もおり、主催者推薦で出場する。

 ◆佐藤 心結(さとう・みゆ)2003年7月21日、神奈川・小田原市生まれ。18歳。7歳で祖父の影響でゴルフを始める。茨城・明秀学園日立高3年。昨年の日本女子アマで3位。コーチは今週キャディーを務める三觜(みつはし)喜一氏。運動神経抜群で、小5でソフトボール投げ49メートルを記録。スポーツ歴はサッカー、陸上。家族は両親、兄。161センチ。

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