ウッズ508日ぶり復帰戦で4差10位発進…右脚粉砕骨折乗り越えた不死鳥「最高」


◆米男子プロゴルフツアー 今季メジャー初戦 マスターズ 第1日(7日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC=7510ヤード、パー72)

 スーパースターが奇跡的なカムバックを果たした。ウッズは18番で2メートルのパーパットを沈めると、右手を突き上げて大喝采に応えた。昨年2月の交通事故を乗り越えて508日ぶり、マスターズで迎えたツアー復帰戦初日で71。4打差10位につけ「これだけ長い間競技から離れていたのにアンダーパーで回れて、本当にいいプレーだった。足は痛い。でも、試合ではアドレナリンが出る。会場は熱気に包まれ、エネルギーを感じられて最高だった」と鍛えてきた分厚い胸を張った。

 コースを彩るアザレア(西洋ツツジ)と同じ鮮やかなピンク色のウェアに身を包み、夢舞台に戻ってきた。1番ティーに登場すると、コロナ禍前の人数に戻った「パトロン」と呼ばれる観客が沸き上がった。6番で第1打を60センチにつけるスーパーショット。16番は9メートルのフックラインを沈めてバーディーを奪い、ウッズらしい力強いガッツポーズも繰り出した。

 昨年2月の自動車事故で右脚粉砕骨折の重傷を負った。一時は右足を切断する可能性もあり、足首にはいまだに金属プレートが入っている。上り傾斜を歩くのはつらそうで、グリーン上でラインを読む際は深くはかがめない。それでも「ここでのプレーの仕方は知っている」。メジャーの中で自己最多5勝を誇る“庭”マスターズで、絶妙な寄せとパットでスコアを作った。

 首位とは4打差。「飛距離は出せないが、チップとパットはトップレベルで戦える」。ラウンド後は「凍死するほど」の氷風呂でのケアも行うという。米ツアー最多82勝のレジェンドは、大会最多に並ぶ6勝目を本気で狙っている。

 ◆ウッズの復帰までの経過

 ▼21年2月23日 米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で、自身が運転する乗用車が横転する。この事故で粉砕骨折した右すねと右足首を同日中に緊急手術。

 ▼3月16日 自身のツイッターで退院を報告。その後は米フロリダ州の自宅で回復に努める。

 ▼12月18日 エキシビション大会に息子のチャーリー君とともに出場。事故後初めての競技ではカートを使ってプレー。

 ▼22年2月16日 ホストを務めるツアー大会で会見し、復帰時期は見通せないとした。

 ▼3月29日 複数の米メディアが、ウッズがマスターズで復帰する可能性があると報じる。

 ▼4月1日 マスターズへの出場登録が判明。

 ▼同4日 トーマス(米国)らと練習ラウンドを行い、大歓声を浴びる。

 ▼同5日 公式会見で出場意向を明かす。

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