石川遼の弟・航、きょう14日プロデビュー「近づけるように頑張りたい」憧れの兄とプロで初対戦


1番、ティーショットを放つ石川航 (カメラ・馬場 秀則) 

1番、ティーショットを放つ石川航 (カメラ・馬場 秀則) 

 男子プロゴルフツアー、関西オープンは14日から4日間、兵庫・よみうりCC(7180ヤード、パー71)で有観客で開催される。石川遼(30)=カシオ=の弟で、プロデビュー戦を迎える航(わたる、22)=フリー=が13日、練習ラウンドで調整した。昨年12月にプロ転向を宣言し、憧れの兄と同じ道を選択。プロ同士での“初対戦”に「近づけるように頑張りたい」と決意をにじませた。

 新たなスタートラインにも、航は落ち着き払っていた。「学生の時から(ツアーに)出させてもらっていたので、特別な感じはしない」。翌日に迫ったプロデビューにも、高揚感はない。何度も笑みを浮かべながら、兄にそっくりな柔和なまなざしを向けた。

 1年前のこの大会でツアー出場9戦目にして初の予選通過。ラウンド後、日体大卒業後の進路で「プロになりたい」と、今季のツアー出場権をかけた予選会(QT)に出場することを明言した。「楽しい」と表現したプロツアーで、やれる手応えも得ての表明。そのQTでは最終前の3次で敗退し、ランキングは255位。そのため今季は下部ツアーへの出場権もなく、各大会の予選会を勝ち上がることが基本となるが、決意は揺るがず12月にプロ宣言した。

 今大会は主催者推薦での出場。兄・遼は弟の決断を「厳しい道」と話したが、覚悟はできている。「今まではアマチュアで負けてもしょうがないという部分があったが、言い訳できない」。結果を求められる重圧を口にしつつ、上位進出で得られる賞金に「今まで家族に面倒を見てもらっていたが、自分で稼げるのは魅力」とプロの自覚をにじませた。

 兄から特別な言葉はないというが、12日の練習ラウンドは「一緒にするか?」とLINEで連絡を受けて「心配とか、応援してくれていると思った」。今大会では姉・葉子さん(25)が兄のキャディーを務め、きょうだいそろい踏みだ。「まずは予選通過できるように」と航。プロの階段を上っていくための重要な第一歩に、表情を引き締めた。(宮崎 尚行)

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