◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 第3日(16日、兵庫・よみうりCC=7180ヤード、パー71)
プロ6年目の比嘉一貴(26)=フリー=が1打差の2位から出て1イーグル、6バーディー、5ボギーで、通算13アンダーとして単独首位に浮上した。強風が吹き荒れる中、この日のベストスコアタイ68をマーク。21年8月以来のツアー3勝目へ“王手”をかけた。11アンダーの首位でスタートしたアマチュアの蝉川泰果(たいが、21)=東北福祉大4年=は9アンダーで3位に後退。星野陸也(25)=興和=が11アンダーで2位。
スコア上は出入りが激しかったが、比嘉の内面は一定だった。西宮市内に強風注意報が発令され、最大8メートル前後の不安定な風が舞い、アンダーパーは7人の難条件。沖縄出身の26歳もバーディー発進後に3連続ボギーしたが「ショットミスはなく、結果的なボギー。風のタイミングで仕方ない。冷静にやれば後半(スコアを)伸ばせると言い聞かせた」。
この日最多の計6バーディーで挽回。見せ場は16番だ。残り84ヤードから59度のウェッジを振り抜くと、バウンド後にピン横で一度止まったボールがコロコロと転がりカップイン。「見えなくて、ギャラリーさんの反応で分かった。ラッキー以外の何ものでもない」。“なんくるないさー”(沖縄方言で、くじけず正しい道を歩めば、いつか報われるの意)精神が実を結び、幸運が舞い降りた。
予選首位突破の蝉川に加え、片岡尚之(24)=フリー=と東北福祉大の後輩2人が、この日の最終組。1つ前の組で先輩としての威厳も示した。3勝目のかかる最終日へ「朝の荷造りで、ギックリ腰にならないようにしたい。よくあることなんです」。本気か冗談か、最後までマイペースだった。(宮崎 尚行)