◆日本男子プロゴルフツアー ISPSハンダ欧州・日本トーナメント 第2日(22日、茨城・石岡GC=7071ヤード、パー71)
プロ転向からツアー2戦目、90位から出た細野勇策(フリー)が、通算10アンダーの暫定5位に浮上している。パットがさえ渡って9バーディー、ボギーなしの「自己ベストスコア」62をマーク。
夏日の日差しの下、山口県生まれの無名のレフティーが、リーダーズボードを駆け上がった。出だしの1番で3Mを沈めてバーディー発進。続く2番パー5も3打目を1Mに寄せて連続バーディーで勢いに乗った。2・5M~5Mのパットを立て続けにねじ込んで計24パットで、9バーディーを量産した。「全てパットのおかげです。今日になって急にイメージが出て入り出しました」と報道陣に囲まれながら笑った。
今月上旬に行われた「ヨーロッパへの道」トーナメントを通算13アンダーで制し、主催者推薦で今大会の出場権をつかんだ。前週の関西オープンはマンデー予選会を勝ち抜いてプロとしてツアー初出場も、66位で予選落ちだった。「一昨年にプロ転向して、去年はマンデー予選会を落ち続けて。今年はマンデー予選会を通れるようになってきた。本当にありがたいチャンス。ものにしたいですね」と今大会での上位躍進へ意気込む。
2003年生まれの19歳。心臓に持病があり野球を断念して父・誠一さん(55)の教えで小学1年からゴルフを始めた。左利きで最初から左打ちのレフティー。「左打ちのジュニア用のクラブがなかなか無くて、小学6年になるまでは女性用のクラブを使っていました。練習場はいつも右端でしたね」とレフティーならではの苦労話も披露した。
同学年の久常涼は昨年、下部のABEMAツアーで3勝を挙げてレギュラーツアーの出場権を獲得。賞金ランク50位で初の賞金シードも手にした。「久常は小学生の頃から上の存在でした。意識しないと言ったらウソになる」と親交のある好敵手の活躍に刺激を受けている。
現在もアマチュアゴルファーの父がコーチ。「米男子ツアーの動画を見ながら勉強しています」という。メジャー2勝のコリン・モリカワ(米国)が好きで意外にも「左打ちの選手の動画はほぼ見たことがない」という。ツアーで初めて優勝争いも見える好位置で週末を迎える。19歳のレフティーは「(将来は)米男子ツアーには行きたい。まずは日本ツアーで優勝して、シードを取って世界で戦える選手になれたら」と目を輝かせた。