女子プロゴルフツアーの宮里藍サントリーレディスは9日から4日間、兵庫・六甲国際GC(6527ヤード、パー72)で行われる。前週の海外メジャー、全米女子オープンで日本勢最高20位に入った小祝さくら(24)=ニトリ=は、約28時間かけて神戸市入りしての強行出場で、8日はプロアマ戦で調整した。渡米前週も全米出場組で唯一、国内ツアーのリゾートトラストレディスに出場して今季初勝利を飾った。黄金世代を代表する“鉄人”が、国内2連勝でのツアー8勝目を狙う。
色白な道産子娘の愛きょうあふれる笑顔には、疲労を感じなかった。小祝はいつも通り、おっとり口調で第一声。「ちょっと肩こりがあるくらい。時差ボケは思ったよりなかった」。2年ぶり2度目の海外メジャーで自身初の予選通過から、日本勢トップフィニッシュを果たした。喜びもつかの間、4日間戦った国内勢で唯一、今大会参加を敢行。大会終了翌朝、6日午前4時に現地を出発し、約28時間かけて7日夜に神戸市入りの強行日程で挑む。
「隔離(期間)で出られないと思っていたが、もしかしたら(規定が)変わるかと一応、エントリーしておいた」とケロリ。本格参戦1年目の18年から続いた国内ツアーの連続試合出場は、全米出場のため歴代4位の142で止まったが、実質“無休”。休まない理由を問われ、「出られるので…」と、むしろ困惑。学生時代は競技での欠席はあっても病欠はなし。出身地の北海道にいた頃、冬のオフ期間にアルバイトした2、3か月間も「風邪を引いても行っていた」と当然のごとく返した。
米滞在中、唯一のリフレッシュが「パインなんちゃらっていうゴルフ場に行って、お土産を買ったりした」。足を運んだのは過去に全米オープン、全米女子オープンを開催したパインハーストリゾートで“ゴルフ漬け”は変わらなかった。
カシオとスポンサー契約を締結したことを明かし、先週の試合では同社の時計を13時間の時差がある日本時間のままつけていたが「ちょうど(時差が)1時間なので、意外と見やすかった」とニッコリ。ただ、米ツアー参戦には否定的だ。「心配しかない。食事や言葉。サラダはたくさんあるけど、牛タンとかがない。バターやチーズを使うとおいしいが、すごく太っちゃう」と“小祝ワールド”全開。大好きな日本に戻り疲れも吹っ飛んだ24歳が、フルパワーでまたコースに向かう。(宮崎 尚行)