西村優菜 今季初勝利へ首位で最終日へ 2週間前に「原点」米名門コース訪問でリフレッシュ


2番ティーショットを放つ西村優菜。通算11アンダーで首位に並んだ(カメラ・今西 淳)

2番ティーショットを放つ西村優菜。通算11アンダーで首位に並んだ(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス 第2日(18日、千葉・袖ケ浦CC新袖C=6563ヤード、パー72)

 1打差の2位で出た通算4勝の西村優菜(21)=スターツ=が4バーディー、ボギーなしの68、通算11アンダーで首位に並んだ。5つある海外メジャーのうち、エビアン選手権(7月)、AIG全英女子オープン(8月)の滑り込みでの出場権獲得へ、今週と次週が正念場。2週前の全米女子オープン(予選落ち)で得た課題と経験を胸に、今季初優勝へ向かう。森田遥(25)=新英HD=、佐藤心結(みゆ、18)=ニトリ=も首位。

 西村は最終18番、3歳下の佐藤に目の前でイーグルを見せつけられたが冷静だった。3メートルのバーディーパットを沈め、満足げにうなずいた。「初日にビッグスコア(65)を出してからの2日目で少し難しいかなと思っていた。耐えながらゴルフを運べた」。2日連続のボギーなしで、首位で最終日へ歩を進めた。

 現在、世界ランク49位で、今月末の50位以内の資格でメジャー2大会出場を目指す。今季立てた目標が「メジャー挑戦」だ。2年ぶりに出場した全米女子オープン(2~5日、ノースカロライナ州パインニードルズGC)は1打及ばず予選落ち。「グリーン周りの技術力をもっと向上させたい」と課題を見つめる一方、「米国で距離が長かったので、(帰国後の)この2試合はいつも長く感じていたけど気持ちが楽」と余裕を持って戦えている。

 2週前の週末は現地に残って練習に充てたが、貴重なリフレッシュにもなった。会場近くにある名門、パインハーストリゾートを母・枝里子さんと訪れた。実は、小学2年時に初めて家族で米国に遠征し、「USキッズ」という大会に出場したのがパインハースト。当時は2週間、地元の家庭にホームステイで滞在した。自身の“原点”ともいえるコースに「すごく懐かしい感じがして、リラックスできました」と笑顔で振り返った。

 海外への思いも強まるが「プレッシャーをかけずに頑張りたい」と自らに言い聞かせ、終始落ち着いた表情で回る。今季は国内12戦で予選落ちがなく、トップ3以上が3回も、まだ勝利には届かない。「最終日も60台目指してプレーしたい」。昨年9月、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子以来の5勝目を手にした先に、メジャー切符がついてくれば最高だ。(岩原 正幸)

 ◆パインハースト 米東部ノースカロライナ州にある屈指の名門コース。1903年開業。英国のコース設計家、ドナルド・ロスの手によってデザインされ、8つのコースがある。近年では99、05、14年に全米オープン、同じ14年に全米女子オープン開催。24年に全米オープンを開催予定。施設内にグッズショップもある。

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