西村優菜 昨年母の日に続いて父の日V 教え守った史上12人目ノーボギーで「いい報告」


ウィニングパットを沈め、笑顔で歓声に応える西村優菜(カメラ・今西 淳)

ウィニングパットを沈め、笑顔で歓声に応える西村優菜(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス 最終日(19日、千葉・袖ケ浦CC新袖C=6563ヤード、パー72)

 首位タイで出た西村優菜(21)=スターツ=が6バーディー、ボギーなしのこの日ベストの66、大会新の通算17アンダーで逃げ切った。昨年5月の「母の日V」に続く「父の日V」を、史上12人目となる大会を通してボギーなしで飾り、今季初優勝&通算5勝目。“孝行娘”は今夏の海外メジャー2大会出場に前進した。稲見萌寧(22)=Rakuten=がホールインワンを決め、68で3位だった。

 西村が、同じ最終組の森田との一騎打ちを制した。1打差を追って迎えた15番、7メートルのバーディーパットを沈め、右拳を強く握った。「いい回転で入ってくれた」。このホールをボギーとした首位・森田を追い抜くと17、18番も攻め続けて連続バーディー。2008年大会(茨城・美浦GC)の三塚優子の記録を1打更新する17アンダーの大会新で逃げ切った。

 14番では3メートルのパーパットをねじ込むなど、24パットと勝負どころで小技も光った。プレーオフ負け1度を含む3位以内が3回あった中、13戦目でようやく今季初優勝。「今年はなかなか勝てない時期も長く、苦しかった」と明かしつつ、昨年9月以来の頂点に「いいラウンドができた」と晴れやかだった。

 いつも支えてくれる家族への恩返しにもなった。昨年5月の国内メジャー、ワールドレディスサロンパスカップを「母の日」に制した。「父の日」だった昨年大会は60位と沈んだ。5歳の時、ゴルフの楽しさを教えてくれた父・武彦さん(54)から「父の日は何もないんか!」と冗談交じりに突っ込まれていた。

 気合を入れて臨んだこの日、大阪の自宅で見守った父に“孝行娘”は「いい報告ができて良かった。いつもボギー打ち過ぎだ、と怒られるのでノーボギーだったことを自慢したい」と言った。大会を通してのボギーなし優勝は、記録が残る1990年以降で史上12人目の快挙だ。

 大会前に49位だった世界ランクも上昇する。これで今月末の50位以内で得られる7月エビアン選手権、8月AIG全英女子オープンの両メジャー切符獲得に大きく前進した。2週前の全米女子オープンの予選落ちから雪辱を期す、身長150センチのゴルファーは「米国から帰ってからは全英に行きたいという気持ちで臨み、1勝できたのは大きい。自信になった」と胸を張った。「父の日V」の次なる大きなプレゼントは海外から届けたい。(岩原 正幸)

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