◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 第3日(25日、千葉・カメリアヒルズCC)
9位で出た金田久美子(32)=スタンレー電気=がこの日のベストスコア69をマークし、通算5アンダーで2差2位に浮上した。アンダーパーが79人中10人と強風下で4バーディー、1ボギーの猛攻だった。11年のフジサンケイレディス以来、ツアー史上最長ブランクとなる初優勝から4081日ぶりの2勝目を狙う。ささきしょうこ(26)=日本触媒=が71の7アンダーで4年ぶりVに王手をかけた。
金田がベテランらしく手堅く攻めた。18番パー5。フルスイングせず「ハーフショット」で操作し、フェアウェーを刻むと82ヤードからの第3打を52度ウェッジでピン手前約20センチにつける絶妙ショット。観客が「おー」と沸いた。バックスピンで7メートル戻ってパーで終えたが、強風下で69のチャージ。キャディーとグータッチし、「60台で回れたので大満足」と声を弾ませた。
序盤から強い追い風が吹いたが、落ち着いていた。2番、3番で冷静に風を感じてグリーンを捉えるといずれも2メートル半を沈めるバーディーを奪った。「ピンを狙いたい場面でも無理しないことです」。若い頃から「ギャルファー」と呼ばれ、明るい衣装が印象的。この日も白のシースルーシャツにミニスカと当時から変わらない。それでも“大人”のゴルフを見せた。
02年にツアー最年少12歳9か月で予選通過。かつて「天才少女」だった金田も8月に33歳になる。「年を感じます」。昨季には腰痛を発症し「起きたら痛い」と日常生活でも支障があるほど。そこでオフは初めて「けがしない体作り」と重たいダンベルを使わず、体幹トレーニングを行った。今季は5月に9位に入るなど好プレーを続け「去年よりゴルフできている」とうなずく。
17年にシード権を手放し、昨年は2年連続の予選会で失敗。今季は出場権がなく主催者推薦などで出場し「試合に出るのが当たり前じゃない。若い頃より感謝の気持ちを持っています」という。最終日は14年8月以来、8年ぶりの最終組で回る。「昔のイケイケの部分がなくなった気がする。もうちょっと強い気持ちを持てたら」。32歳のキンクミは最終日、大人かつ攻めのゴルフで栄冠をつかむ。(宮下 京香)
◆ツアー初優勝から最長ブランクで2勝目 金田は2011年4月のフジサンケイレディス以来のツアー2勝目となれば、11年63日ぶりVで、1988年ツアー制施行後、史上最長ブランクとなる。これまでは招待選手を除けば、中嶋千尋の9年297日(88年6月のダンロップレディス~98年4月の健勝苑レディス道後)が最長。初V~2勝目に限らなければ、池渕富子の11年210日(85年富士通レディース=2勝目~97年ヤクルトレディース=3勝目)が最長ブランク。
◆金田 久美子(かねだ・くみこ)1989年8月14日、名古屋市生まれ。32歳。父・弘吉さんの教えで3歳からゴルフを始める。98年、8歳で世界ジュニア優勝。クラーク高卒業後の08年、予選会をトップ通過でプロ転向。09年からツアーに本格参戦。11年のフジサンケイレディスでツアー初V。昨季は賞金ランク72位。166センチ、51キロ。愛称は「キンクミ」。