史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)は25日、宮城・大崎GC三本木Cで行われたプロパッティングツアーの第20戦で4位と健闘し、最終戦の全日本選手権(11月12~13日、栃木・那須小川GC)の出場を確定させた。弥勒は24日の準優勝に続く好成績で総合ポイントランキングも5位以内に浮上する見込み。「このツアーに2年近く参戦して、今まで1度しかプレーオフステージに進出できていなかったのに、この2日間で2度もプレーオフステージに進むことができました。最終戦も頑張ります」と弥勒は意欲的に話した。
弥勒は8月に日本女子プロゴルフツアー通算23勝の横峯さくら(エプソン)の父で元コーチ兼キャディーの横峯良郎氏に弟子入り。弥勒や両親が「監督」と呼ぶ横峯氏の指導のもと、先週、宮崎で強化合宿を行い、その成果が早速、表れている。父の憲一さんは「横峯監督の指導で状況判断が格段に良くなりました。パットもマネジメントが大切なので、その部分が成長しているようです」と話した。
今年からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、抜群の実力と存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到。その中で「ゴルフ5」と所属契約を結ぶなど、現在、12社・団体のスポンサーを持つ。
また、今年のアマ規定の改定では、ドライビングコンテストやパッティング大会などではアマチュアは上限なしで賞金を得ることもできるようになった。プロパッティングツアー最終戦の全日本選手権は賞金総額300万円、優勝100万円。「アマチュアも賞金を頂ける、ということでモチベーションが上がります。賞金を獲得したいです」。弥勒はスポンサー収入に加え、ガチンコ勝負による賞金ゲットに強い意欲を示す。
先週の宮崎合宿、今回の宮城遠征を終えた弥勒は「明日から学校に行くので、宮城から(自宅のある)群馬までの車の中で勉強します」と充実感あふれる表情で話した。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、今年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。今年8月から横峯良郎氏の指導を受ける。現在、ドライバーの飛距離は約210ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。