11歳の「天才少女ゴルファー」須藤弥勒、悔し涙の賞金5万円…プロパッティングツアー全日本選手権


プロパッティングツアー全日本選手権14位で悔し涙を流す須藤弥勒(提供写真)

プロパッティングツアー全日本選手権14位で悔し涙を流す須藤弥勒(提供写真)

 史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)が13日、第2回プロパッティングツアー全日本選手権(栃木・那須小川GC)の決勝ラウンドで、14位となり、賞金5万円をゲットした。

 パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。約2メートル~約20メートルの距離で18ホールが設定され、パー36で争う。ツアー最終戦の今大会にはポイントランクの上位選手だけが出場権を持つ。弥勒は12日に行われた予選ラウンドでは首位通過と大健闘したが、予選ラウンドのスコアが持ち越しとならない決勝ラウンドではコース設定の「ワナ」にはまって2ダブルボギー。さらに途中から雨が降り出してグリーンスピードの変化に対応できず、2バーディー、1ボギー、2ダブルボギーの3オーバー39でホールアウト。優勝争いに加わることができなかった。

 男女のレギュラーツアーに出場経験がある選手やグリーンのライン読みを得意とするプロキャディーが参戦する中で、11歳は経験不足で敗戦。「全日本選手権というビッグタイトルと優勝賞金100万円をゲットしたかったです。悔しいです」と弥勒は話し、涙を流した。

 「プロゴルファーになった時、最終的にはパットの勝負になります」という弥勒はグリーン上で実戦経験を積むため、昨年からプロパッティングツアーに積極的に参戦。今年8月には日本女子プロゴルフツアー通算23勝の横峯さくら(エプソン)の父で元コーチ兼キャディーの横峯良郎氏に弟子入りし、腕を磨いている。

 今年からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、抜群の存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到。その中で「ゴルフ5」と所属契約を結ぶなど、現在、12社・団体のスポンサーを持つ。また、今年のアマ規定の改定で、ドライビングコンテストやパッティング大会などではアマチュアは上限なしで賞金を得ることもできるようになった。

 今大会は賞金総額300万円。優勝100万円、2位50万円、第3位30万円。9~16位5万円とされている。高い目標の100万円獲得はならなかったが、5万円をゲット。「5万円は大きな金額です。弥勒にとって良い経験になりました」と父・憲一さんはしみじみを話した。11歳のアマチュアゴルファーが、その腕だけで賞金を獲得。悔しい敗戦の中で、ひとつの歴史をつくった。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、今年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。今年8月から横峯良郎氏の指導を受ける。現在、ドライバーの飛距離は約210ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。

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