小平智は1打差4位発進 体調を崩している父のために目の前で4年ぶりV目指す


6番でバーディーを奪い笑顔を見せる小平(右)(カメラ・今成 良輔)

6番でバーディーを奪い笑顔を見せる小平(右)(カメラ・今成 良輔)

◆報知新聞社主催 国内男子プロゴルフツアー 今季最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第1日(1日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 18年大会覇者で1打差4位につけた小平智(33)=Admiral=は、体調を崩している父・健一さん(82)を最終日に招き、大会2度目の優勝を届けることを誓った。

 難関18番でパーパットを沈めた小平は、少しだけ表情を緩めた。「久々に回って成長を感じられた」。18年途中から米ツアーを主戦場とする13年目が、3年ぶりの舞台で4アンダー発進。「考えるところが多いコース。マネジメントをうまくできた」とうなずいた。

 終盤に帳尻を合わせた。17番パー5。残り185ヤードから7アイアンで4メートルに2オン。イーグルパットを決めて浮上した。ホール別で最多11人がスコアを落とした18番もしのぎ「もったいないゴルフって感じだったけど、イーグルで気持ちがつながった。締めくくりは良かった」と安どした。

 今季国内ツアーは9試合(棄権を除く)で優勝こそないが、5位以内3回など賞金ランク28位で8度目の出場につなげた。今季で国内9季連続シード権奪取。さすがだが、本人の思いは違う。「この試合数の中で立てられる目標は少ない。モチベーションをつくるのが難しい」と本音をこぼした。

 ただ、今週は違う。「お父さんに優勝を見せてあげたい」。元レッスンプロでゴルフを始めたきっかけでもある父・健一さんが肺を患い、入退院を繰り返す現状。「小さい穴がいっぱい開いて(医療器具で)酸素を入れていないと動けないくらい」と表情を曇らせた。

 コースから実家まで車で約30分の地元。移動の負担が少なく、最終日に父を招くプランがある。「いい位置でというか、できれば突き放して優勝したい」。クールな男が言葉に熱を込めた。最後に父の目の前で優勝したのは、18年のこの大会。父が見守る最終日の18番で、4年前の歓喜を再現する。(宮崎 尚行)

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