山下美夢有、思い出の地で今季初V…「出る試合は優勝を」連続女王へ咲き誇る


トータル9アンダーで優勝を決めフラワーシャワーで祝福される山下美夢有(カメラ・渡辺 了文)

トータル9アンダーで優勝を決めフラワーシャワーで祝福される山下美夢有(カメラ・渡辺 了文)

◆女子プロゴルフツアー 報知新聞社特別協力 富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 最終日(9日、兵庫・花屋敷GCよかわC=6435ヤード、パー72)

 初日が悪天候で中止となり、2日間36ホールで行われた短期決戦を、昨季年間女王の山下美夢有(みゆう、21)=加賀電子=が通算9アンダーで制し、今季初勝利を挙げた。2位と1打差の単独首位で出ると、一時は首位を明け渡して2打差をつけられたが、終盤で逆転して4バーディー、ノーボギーの68。地元・関西でツアー7勝目をつかんだ。

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 女王の底力で頂点に立った。18番のパーパットを沈め、今季初勝利を挙げた山下は、キャディーと笑顔で握手。同組の岩井千との争いを最終ホールで制し「接戦はいい経験にもなるし、すごい楽しく回れた」と、通算7勝目に胸を張った。

 最大2打差をつけられたが、いたって冷静だった。後半16番、岩井千が単独首位となるバーディーを決めた直後、負けじと4メートルのバーディーパットをねじ込んだ。迎えた難関の最終ホールでは、2打目をピンそば1・5メートルにピタリ。ボギーとした岩井千に対してパーセーブした。「今日はショットがあまりくっつかない状況だった。唯一、18番が本当に今日の一番のショット」と、勝負どころで出た会心の一打が、歓喜をたぐり寄せた。

 大阪・寝屋川市出身。小学生のときにこのコースで行われたジュニア大会で2度優勝した。懐かしい舞台で成長した姿を披露し「不思議な感じ。ジュニアの見本になれるように頑張りたい」と喜びもひとしおだ。

 24位だった開幕戦からショートゲームが不調だった。今大会前も「あまり良くなくて」。高低差のあるコースにショットがピンに絡まず苦戦する中、パットが少し上向き、7メートルを2度沈めるなどスコアを作った。「目標のノーボギーを心がけた。気持ちの部分で自分をコントロールできた」。昨年11月以来のノーボギーラウンドで復調を感じさせた。

 これで女王を争うメルセデス・ランクは前週の8位から2位に浮上し、次週は2年ぶり優勝がかかる「KKT杯 バンテリンL」に挑む。「出る試合は優勝を目指して頑張りたい。メジャーにも挑戦していきたいと思っているので、そこで頑張れたら」。山下が地元の関西から、2年連続年間女王への道を力強く踏み出した。(瀬川 楓花)

 ◆連続年間(賞金)女王 1988年のツアー制施行後、2年連続で賞金女王に輝いた選手は93、94年の平瀬真由美、96、97年の福嶋晃子、2000~05年に6年連続で不動裕理、10、11年のアン・ソンジュ(韓国)、15、16年のイ・ボミ(韓国)の5人。山下が今季もメルセデス・ランク1位となれば、ツアー史上6人目で最年少の連続女王となる。

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