「ゴルフ天才少女」須藤弥勒がプロパッティングツアーで涙の初優勝 賞金10万円ゲット


プロパッティングツアーで念願の初優勝を果たした須藤弥勒はうれし涙を流した(提供写真)

プロパッティングツアーで念願の初優勝を果たした須藤弥勒はうれし涙を流した(提供写真)

 史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)が11日、北海道・早来CCで行われたプロパッティングツアー第13戦で念願の初優勝を飾った。優勝賞金10万円を獲得し、賞金総額300万円をかけたツアー最終戦の全日本選手権(秋開催)の進出を確実にした。これまで惜敗続きだった弥勒は「とにかく、うれしいです。もう2位はいらない、と思っていました」とうれし涙を流しながら話した。

 パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。約2メートル~約20メートルの距離で18ホールが設定され、パー36の予選ラウンドを行う。上位6人(首位と2打差以内)が予選ラウンドの成績を持ち越して3ホールの決勝ラウンドで最終順位を決める。

 弥勒は将来を見据えてパットの技術を磨くため、2年前から同ツアーに参戦。直近11戦で9回も決勝ラウンドに進出するなど善戦するも、あと1打で優勝を逃すパターンが続いていた。強気で鳴らす弥勒が「私は勝負弱いのかもしれない。ゴルフの世界で生きていけないかもしれない」と弱気になるほど追い込まれていた状況で、待望の初優勝をもぎ取った。

 この日、予選ラウンドを首位で通過したが、決勝ラウンドで追いつかれ、プレーオフに。その1ホール目、決めなければ負けという場面をしのぎ、2ホール目で勝利。劇的な優勝の裏には両親のサポートがあった。母・みゆきさんは「弥勒は生まれながらのチャンピオンということを証明しよう」と熱いゲキを送り、父・憲一さんは「タイガー・ウッズは、ここ一番のパットを決めるからこそタイガー・ウッズになった。弥勒もウッズのような勝負強い選手になってほしい」と期待を込めて話した。

 昨年、アマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったため、弥勒のもとにはスポンサーからオファーが殺到。所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約を結んだ。また、アマ規定の改定によって、ドライビングコンテストやパッティング大会などでアマチュアは上限なしで賞金を得ることも可能になった。この日、優勝賞金の10万円をゲットした弥勒は「この賞金は好きに使っていい、と言われています」とうれし涙を拭いて、満面の笑みで話した。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入りした。現在、ドライバーの飛距離は約230ヤード。昨年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約した。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。

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