◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 第1日(22日、千葉・カメリアヒルズCC=6650ヤード、パー72)
ツアー初優勝を狙う工藤遥加(フリー)が5バーディー、1ボギーの68で4アンダーと好発進した。現時点で首位と2打差、暫定6位につける。今季4試合目のレギュラーツアー。8、9番で連続バーディーを奪い、11番でボギーも、その後3バーディーを重ね、スコアをまとめた。
朝のスタート前の練習では「これはやばい」とショットのブレを改善できず、自宅にいる前ソフトバンク監督で父の公康氏に電話で助言を求めた。「一ホール一ホールだよ」とのアドバイスに「落ち着いてできた」と感謝。「安定した高いフェードを打つ」をテーマに取り組み、満足に実践できたわけではないが、プロ13年目の経験を生かし、好スコアにつなげた。
プロ野球の現役時代に通算224勝を挙げた「名球会投手」の父には昨季、コーチとして指導を受けた。「親子の時間をつくりたい」という父の希望で、ゲームの駆け引きや、体のコンディション面で教えを受けた。「はじめの頃は厳しすぎて、母に『もう来てほしくない』って言ったりもした」と遥加は言う。今季は父も自身の仕事で忙しく、アドバイスを仰ぐ関係に変化した。「(昨季)終盤からいい感じ(の関係)で、今が一番いい。相談もできる。試合の映像を見てくれて、すり合わせたり。練習を見てくれることもある」と語った。
60歳を迎えた父について「もう年とったなあって(笑い)」。娘から見た、以前のイメージは「家にいるライオンみたい。こわい」という父親像から今では「優しいパパ」に変わったと明かす。「もともと現役をやっていて、スポーツに対する考え方もある。指導するのか、親として接するのか、はざまにいたと思う」と遥加は説明した。
5月には下部のステップアップツアー、ツインフィールズレディースで初優勝を挙げた。「いい顔してたよ」と祝福してくれた父にウィニングボールをプレゼント。「書斎に飾ってくれてるかな」と笑った。レギュラーツアーの出場機会が限られる今季、最高額の優勝賞金5400万円のビッグトーナメントで68と好位置につけた。「(優勝したら)絶対にボールを渡します。いい報告ができるように頑張りたい」。偉大な父の背中を追い、ツアー初優勝に向け奮闘する。