賞金総額は女子ゴルフ「6分の1」ながらも男子ゴルフは熱戦を展開 全米オープン帰りの石川遼は4アンダー


雨が降る中、最終9番でバーディーパットを決めた石川遼

雨が降る中、最終9番でバーディーパットを決めた石川遼

◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 第1日(22日、栃木・西那須野CC=7036ヤード、パー72)

 雨が降る中、ツアー選手会が主催するトーナメントに156人が出場。午前組がホールアウトし、2年前の大会覇者の片岡尚之(CS Technologies)とドライバー平均距離ランク1位(317・85ヤード)の河本力(大和証券)が8アンダー、64で回り、首位に立った。

 先週の海外メジャー、全米オープンで63位だった石川遼(カシオ)は5バーディー、1ボギーの4アンダー、68で回り、首位と4打差の12位。ハードスケジュールで練習ラウンドなしだったため「(10番スタートの)前半はパットのスピードとタッチが合わなかったが、18番のバーディーから合ってきました。マネジメントは悪くありませんでした」と納得の表情で話した。

 今大会は賞金総額5000万円(優勝1000万円)。一方、同週開催の女子ツアーのアース・モンダミンカップはツアー最高の賞金総額3億円(優勝賞金5400万円)。賞金総額は実に「6分の1」。女子大会の優勝賞金が男子大会の賞金総額を上回る。賞金では大きく遅れを取っているが、男子プロの迫力をゴルフファンに知ってもらうため、多くの工夫やイベントが入念に準備されている。

 そのひとつが選手のプレーエリアとギャラリーの観戦エリアを分ける「ローピング」だ。今週大会のローピング担当を務める石川はゴルフファンにアピールするように熱弁を奮う。

 「まずは安全が第一。その上でギャラリーに近くで見てもらうためにティーグラウンドの後ろなどは3メートルくらいにローピングして選手のドライバーショットを見てもらえるようにしています。今週の大会は年間を通じても一番、近くでティーショットやパットが見られると思います。ぜひ、見に来てほしいです」

 米ツアーでのプレー経験が豊富な石川はローピングについて持論を語る。「日本ではローピングがプレーエリアから遠い。プレーエリアから近いとギャラリーの方々も集中して静かになります。好循環になると思います」と話す。石川はラウンド終了後、関係者と相談し、第2日以降、さらにギャラリーが近くで見られるようにローピングの位置を「改善」する考えを明かした。

 通常、トーナメントではギャラリーの写真撮影、動画撮影は禁止されているが、今大会では無音アプリを使用した場合、プレーエリアでの動画撮影が可能で、写真撮影はエリアを指定せず可能。男子プロのスイングをスマホに収めれば自身のゴルフの参考になりそうだ。

 また、選手の集合写真などのパネルの前で記念撮影できるフォトスポットを練習グリーン横に設置。18番グリーン周辺では選手とのグータッチゾーンも設置している。

 賞金総額は女子ゴルフの「6分の1」でも、格差をはねのけるような男子ゴルフの熱戦が那須で繰り広げられている。

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