9日に閉幕した女子ゴルフの今季メジャー第3戦、全米女子オープン(カリフォルニア州ペブルビーチGL)では、ともに米ツアーを主戦場とする畑岡奈紗(24)が優勝争いの末に4位。古江彩佳(23)が6位と奮闘した。一方、国内からスポット参戦した今季好調の山下美夢有(みゆう、21)らプロ11人は苦戦を強いられた。設定がタフな大舞台でコースの違い、気温の変化などさまざまな“壁”を打ち破る難しさを、ゴルフ担当の岩原正幸記者が「見た」。
太平洋に面して「世界一美しい」と言われる名コースの景色より、メジャーの厳しさが印象に残る大会だった。過去最多22人が出場した日本勢は、5大メジャー最多11人が予選を通ったが、上位で終えたのは米ツアー7年目の畑岡と2年目の古江だった。日本ツアーが主戦場のプロは11人出場して、5人が予選落ちとなった。
まず、予選ラウンド2日間が想像以上に寒かった。ダウンジャケットや耳当てをつけてプレーする選手がいたほど。前週に神奈川で開催された国内ツアーは気温30度で、約20度低い今大会は体調管理が難しかった。今季国内4勝で前週を休んで臨んだ山下でさえも「足りないところがたくさん見つかった」と予選落ち後、目に涙をためて悔しがった。
全英のような気候で、潮の香りのする重い海風も選手を苦しめた。日本では経験できない環境で、特に後半9ホールは向かい風でスコアを崩す選手が続出。4日間戦った岩井千怜(ちさと、21)は「こんなに(風の影響を受けにくい)低い球打てないんだって思った」と課題を痛感していた。
一方、国内未勝利でシードもない木下彩(24)が予選会を勝ち抜き13位。日本ツアーの生涯獲得賞金を超える約2380万円を1試合で獲得した。「自信になった」と夢も膨らむのが海外メジャーの魅力。次戦、エビアン選手権(27日開幕・フランス)は日本人好相性のコースで、山下ら国内組の雪辱を期待したい。