◆米男子プロゴルフツアー プレーオフ第1戦 フェデックス・セントジュード選手権 最終日(13日、テネシー州TPCサウスウインド=7243ヤード、パー70)
38位から出たツアー通算8勝の松山英樹(31)=LEXUS=は1イーグル、4バーディー、1ボギーで65をマークし、通算9アンダーで16位に入った。年間ポイントランクで57位から47位に浮上。終盤の猛チャージで上位50人が進むプレーオフ(PO)第2戦のBMW選手権へ滑り込み、10年連続となる最終戦のツアー選手権進出に望みをつないだ。ルーカス・グラバー(米国)が、15アンダーで並んだパトリック・カントレー(米国)とのプレーオフを制して2週連続優勝。
シーズン終了の危機を迎えた終盤に、松山が真価を発揮した。「最後まで諦めずにやった成果が出たかなという感じ」。終盤6ホールで5つスコアを伸ばす勝負強さを見せ、一気にPO第2戦のBMW選手権(17~20日、イリノイ州オリンピアフィールズCC)進出圏内へ滑り込んだ。
13番、15番のバーディーで追い上げモードに入ったところで、悪天候による中断。思わず天を仰いだが、1時間37分を挟んだ再開後も、流れは離さなかった。16番パー5は残り200ヤードから2オンに成功し、3メートル弱を沈めてイーグル。17番は171ヤードの第2打を3メートルに運び、決めきった。18番もグリーン奥からパーをセーブ。「今、やれることはやった。(次戦に)行けなかったら今の自分の実力が足りなかったというだけ。やりきった感はある」と心地良い疲れに浸った。
第2戦に進むには、大会終了時点のポイントランクで50位以内に入ることが求められる中、歯がゆい展開が続いた。プレー再開後の16番から「3つ伸ばさないとチャンスはないと思っていた」。厳しい状況ながら正確なショットで重圧に勝ち、ランク47位まで浮上。50位以内に入り、来季のメモリアル・トーナメントなど8つの大会出場資格も得た。
上位30人による最終戦のツアー選手権(24~27日、ジョージア州イーストレイクGC)へ、望みをつないだ。昨年まで9年連続で進んでおり、継続中の記録では世界最長を誇る。「来週も自分に期待して頑張りたい」。10年連続進出の偉業へ、弾みをつけて次戦に向かう。
◆プレーオフシリーズ 2007年に始まった制度で年間王者は1800万ドル(約26億円)のボーナスを獲得する。試合ごとの順位をポイント換算したフェデックスカップポイント上位70人から2戦目は50人、最終戦は30人。通常大会の4倍のポイントが与えられ、変動が大きい。今季から創設された賞金総額2000万ドル(約29億円)級の「格上げ大会」は来季「シグネチャー・イベント」(8試合)と名称が改められ、ポイントランク50位以内の選手に出場権が与えられる。