金谷拓実が逃げ切りで今季2勝目で賞金ランク1位に 「目標に向けて頑張りたい」バスケ日本代表から刺激


金谷拓実

金谷拓実

 首位から出た金谷拓実(Yogibo)が4バーディー、1ボギーの67で回り、2位に4打差をつけて通算5勝目を挙げた。6月のBMWツアー選手権森ビル杯以来、今季2勝目。例年以上にラフが深く、難度が上がった大会でも、ショット力の高さを見せる圧勝劇だ。優勝賞金2200万円を獲得し、賞金ランキングは中島啓太(フリー)を抜き1位となった。

 前半は6、8番のパー5でバーディーを奪いリードを3打に広げた。11番でカラーから10ヤードをパターでねじ込んだが、12番は左奥のラフからのアプローチをミスしボギー。17番ではカラーから20ヤードを再びパターで打ち「入ってしまった」と自分でも驚いた。

 この日一番大きかったのはバーディーよりも15、16番のパー。ともに4メートルを残すピンチを迎えた。速くなりがちな歩くスピードや呼吸を落ち着かせ、見事に決めきるとガッツポーズも飛び出した。7月に開催された日本プロ選手権第1日には75をたたき、85位からのスタート。うまくいかない自分に、いらだちを覚えながらプレーをしていた。そんな姿を見かねたキャディーのライオネル・マティチャックさんが「すごい簡単なのに、自分で難しくしている」と一喝。その後はミスをしても、イライラすることなく冷静なプレーができているという。

 大のバスケットボールが好きも、W杯はトーナメント中のため見られなかった。ニュースで日本代表が48年ぶりに自力での五輪出場を決めたことを知り、「バスケットチームもオリンピックに長いこと(自力で)出られていなかったと思うので、そういうのが達成されるのはすごいことだなと思う。僕も目標に向けて、もっともっと頑張りたい」と刺激を受けた。

 金谷のボールに刻まれている言葉がある。「Just Keep Going(進み続ける)」のそれぞれの頭文字「JKG」だ。日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームコーチを務めるガレス・ジョーンズ氏が、常々話していた言葉をアマチュア時代、ボールに記した。「目標を持って突き進みたい。プレッシャーのかかる場面も、開き直って突き進むしかない」。恩師の言葉が金谷の原動力となっている。

 今大会で賞金ランクは1位に浮上。「賞金王になりたい」と話す25歳。中島を始め、蝉川泰果(フリー)、平田憲聖(エレコム)らと自身より若い選手との賞金王争いを繰り広げている。「若くていい選手がたくさんいるので、もっと盛り上げられる戦いを届けたい」と若手の台頭を喜び、男子ツアーの活性化を狙う。目標達成のため金谷が進み続ける。

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