石川遼、米ツアー10年ぶりトップ5入りの日本勢最高4位 2週後のツアー切符に「出場したい」 


18番をバーディーでホールアウトし歓声に応える石川遼。通算7アンダー日本人選手最上位の4位で大会を終えた(カメラ・今西 淳)

18番をバーディーでホールアウトし歓声に応える石川遼。通算7アンダー日本人選手最上位の4位で大会を終えた(カメラ・今西 淳)

◆米男子プロゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ 最終日(22日、千葉・アコーディア習志野CC=7079ヤード、パー70)

 5差8位から出た石川遼(32)=カシオ=が8バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの67で回り、通算7アンダーで日本勢最高の4位に入った。10年ぶりの米ツアートップ5入りで2週後の米ツアー出場資格も獲得し、参戦の意向を表明した。平田憲聖(22)=エレコム=、久常涼(21)=SBSホールディングス=は6位。21年大会覇者の松山英樹(31)=LEXUS=は72と伸ばせず51位。日本人の父を持つコリン・モリカワ(米国)が63で回り、14アンダーで通算6勝目を飾った。

 世界最高峰の舞台で久々に石川が輝きを放った。67と粘り、4日間60台を並べて日本勢最高の4位。米ツアーでは10年ぶり4度目のトップ5入り。後半9ホールでパーは1つだけと、出入りの激しい持ち前の“劇場型ゴルフ”に。「浮き沈みがあったので、めちゃくちゃ良かったというようなラウンドではなかった」と猛省。それでも「ショットは1週間で一番良かった」と充実感も漂わせた。

 8番までに3つ伸ばして首位と2打差に迫った。米ツアー初Vに手が届きかけたが、12番で4オン2パットの痛恨のダボ。これで「久々に頭に血が上った」と逆に発奮した。15番で6メートル、16番では15メートルを沈めて不屈の闘志でバーディー。最終18番パー5。第2打をグリーン左林に入れるも、40ヤードのアプローチを3メートルに寄せてバーディー締め。笑顔で大喝采を浴びた。

 10位以内に入り、次戦の米ツアー「ワールドワイドテクノロジー選手権」(11月2~5日、メキシコ・ロスカボス)の出場権を獲得。「出場したい」と参戦を表明した。07年に15歳で日本ツアー最年少優勝。13年から米ツアーに本格参戦も未勝利で17年10月、国内ツアーに主戦場を戻した。だが、世界最高峰の舞台への思いは今も強い。「レベルを上げていって、PGA(米ツアー)でプレーができる自分を作り上げていこうと、4~5年間作り直している」。20年からスイング改造に取り組むなど、米再挑戦へ向けた旅の途上にいる。

 先月32歳を迎えたが今季国内ツアーで10位以内5回、賞金ランク7位と好調だ。今大会にも出場した元世界ランク1位で43歳のアダム・スコット(豪州)を手本に再び米ツアー参戦をもくろむ。「年というのは、全く自分の中で考えなくていいというふうに思っている。遅過ぎることはないと信じている」と石川。夢舞台へ向けて、心身ともに円熟味を増していく。(富張 萌黄)

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