６番、ティーショットを放つ中島啓太
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズＪＴカップ 第３日（２日、東京よみうりＣＣ＝７０２３ヤード、パー７０）
単独首位で出た賞金王の中島啓太（２３）＝フリー＝がバーディー、１ボギーの６８で首位を守り、大会９人目の完全優勝に王手をかけた。首位と２打差の２位から出た蝉川泰果（２２）＝フリー＝が２イーグル、３バーディー、１ボギー、１ダブルボギーの６６で首位に並んだ。中島、蝉川とも、１９８１年に羽川豊が記録した２３歳３６３日の大会最年少Ｖ更新を狙い最終日に挑む。
中島の集中力が一段と高まった。同学年の蝉川が１７番でイーグル。これ以上離されるわけにはいかない場面で、２・５メートルのバーディーチャンス。落ち着いて沈めると、険しかった表情から一瞬だけ笑みをのぞかせた。「１７番のバーディーは本当に価値がある。明日（３日）に向けて、いい流れを持って来られた」と評価した。１８番で蝉川がダブルボギーをたたき、１３アンダーに２人が並んで第３日を終えた。
序盤は蝉川の勢いに押され気味だった。１番パー４のイーグルなど一気に突き放された。だが、冷静沈着な賞金王は「自分のペース、間合いをしっかり持って、リズムを崩さないようプレーに集中した。粘り強く自分のゴルフができた」と気持ちを切らさない。
８番でようやく４メートルの好機を沈めて初バーディー。１１番でボギー直後の１２番は６メートルをねじ込みバウンスバックした。「ボギーがあったので、１２番で取れて良かった。その後もいい流れでできた」。硬くてスピードの速いグリーン、難しいピン位置に苦しみながらも、着実に２つ伸ばした。
大会史上９人目（１２例目）となる完全Ｖで今季４勝目に王手をかけた。今季９度目の最終日最終組には蝉川、大会２勝の石川が加わる。「たくさんのギャラリーが来られると思う。（１組前で３位の）金谷さんとの優勝争いも終わっていない。自分のプレーに集中して、明日勝ちたい」。勝てば大会最年少Ｖに、年間２億円突破。中島は最後の１人になるまで練習グリーンで球を転がし、メジャー初制覇への執念をにじませた。（岩原 正幸）
◆中島が優勝すると達成する記録
▼完全優勝 １２年の藤田寛之以来となる大会史上９人目（１２例目）
▼年間獲得賞金２億円超え 今季賞金は１億７２４８万６１７９円。４０００万円を加えれば、１６年の池田勇太以来となる史上５人目（６例目）の２億円突破
▼大会最年少Ｖ ８１年羽川豊の２３歳３６３日を超える２３歳１６２日