ドレスアップをして開幕戦の前夜祭に出席した原英莉花（カメラ・今西 淳）
女子プロゴルフツアーの今季開幕戦ダイキンオーキッドレディスは２９日から４日間、沖縄・琉球ＧＣ（６５９５ヤード、パー７２）で開催される。ツアー通算５勝の原英莉花（２５）＝ＮＩＰＰＯＮ ＥＸＰＲＥＳＳホールディングス＝は２７日、２５年からの米女子ツアー挑戦へ向けて「春先に１勝」を目標に掲げた。１月の初詣で「大吉」を引いたおみくじのお告げを大事に基礎を徹底し、１年間戦い抜く覚悟も語った。
日焼けした顔を引き締めながら原が開幕戦へ調整した。前週はタイで行われた米ツアー、ホンダＬＰＧＡに出場。今季初戦を１６位で滑り出し、「探り探りじゃないプレーができた」と収穫を得た。オフは腰から上に頼りがちだったスイングを改善。昨年５月には腰の手術を受けており、腰痛対策のために足の使い方を意識し、工夫を凝らしている。「けがなくコツコツということを大切に過ごしていた」と充実感を漂わせた。
昨季は国内最高峰のメジャー、日本女子オープンで２年ぶりＶ。その３週後には米ツアー予選会（ＱＴ）に出場も、スコア誤記によりまさかの失格となった。今年も米ＱＴ受験を予定し、最終ＱＴ出場権を得られる世界ランク７５位以内（例年は８月第１週時点）を目指す。２６日時点で原の同ランクは９２位で順位を上げるために「春先に１勝を目標に頑張りたい」と力強く答えた。過去５勝は全て夏以降。米国進出の夢をかなえるため、スロースターター返上で開幕から上位争いを狙う。
タイへ出国前、師匠である国内男子ツアー歴代最多９４勝の尾崎将司（７７）を訪ねた。ドライバーショットに悩んでいたが、「思ったより悪くねえよ」と“合格点”をもらった。「行ってきます」と伝えた原に「今年はやってくれんだろうな」とジャンボ流のゲキが飛んだという。「今年はいい報告ができるように頑張りたい。複数回優勝と平均的に上位で戦えるように」と恩返しを誓う。
年明けには、毎年訪れている千葉の鋸山・日本寺へ初詣に訪れた。「おみくじは大吉でした。『基本を大事に』みたいに書いてあった」。プロ７年目の今季は基礎を徹底して、米ツアー参戦への足がかりとする。大吉はよく引くという強運の持ち主は「去年も確か大吉！ そんな大吉（の１年）じゃなかったけど」と豪快に笑い飛ばした。今季こそ、自己最高の１年にする。（富張 萌黄）