中島啓太「海外での初勝利は特別」日本人5人目欧州ツアーV 後半3連続ボギー「タフだった」


24年の抱負を「結果」と記した中島

24年の抱負を「結果」と記した中島

◆欧州男子プロゴルフツアー ヒーロー・インディアンオープン 最終日(31日、インド・DLFG&CC=7416ヤード、パー72)

 昨季日本ツアー賞金王で、今季から欧州男子(DPワールド)ツアーに参戦する中島啓太(23)=フリー=が5バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算17アンダーで本格参戦6戦目で初優勝を飾った。優勝賞金約5786万円を手にした。日本勢では青木功、松山英樹、久常涼、今季の星野陸也に続く5人目の欧州ツアー制覇。世界ランクは前週の111位から80位程度まで浮上する見通しで、パリ五輪出場圏内(日本勢上位2枠)入りする可能性も出てきた。

 日本の賞金王が本格参戦1年目で快挙を成し遂げた。短パン姿の中島は18番で50センチのボギーパットを沈め、同組の選手から祝福されると笑みを浮かべた。「海外でのプロ初勝利は特別」と英語でインタビューに答えた。

 2位に4打差の首位で出ると、前半に3つ伸ばして8打リードで後半へ。最後は「緊張で」3連続ボギーと苦しんだが、73で4打差をつけて初の栄冠を手にした。「タフだったが、いいショットを打つことだけ考えた」。松山英樹に続くパリ五輪出場権の2番手争いにも名乗り。「ナショナルチーム(アマ日本代表)を卒業したけど、もう一度日の丸を背負ってプレーしたい」と、パリ切符へのこだわりも公言してきた。

 年末年始は巨人・菅野智之投手(34)らとハワイで2週間、合同トレーニングを行い、走り込みなどで下半身を鍛えた。「体の成長もできて、学ぶところがたくさんあった」。中島が帰国する際、菅野らが空港まで見送りに来てくれ「結果で恩返しできるように頑張ります」と約束した。

 コロナ禍の明けた23年から日本のトップ選手の「世界第2のツアー」欧州進出が増えて以降、久常、星野、中島が勝利した。今季欧州ツアーでポイント上位10位(有資格を除く)に入れば翌年、世界最高峰の米ツアー出場資格を得る。中島は「25年に米ツアーに行くことが目標」と世界トップツアー挑戦を掲げる。昨年9月に欧州で1勝し、今季から米ツアーに参戦する久常と同じルートを思い描く。欧州ツアーの公式SNSで「新スターの誕生」と伝えられた。インドの地で夢に向けて大きく前進した。

 ◆中島 啓太(なかじま・けいた)2000年6月24日、埼玉・加須市生まれ。23歳。日体大卒。6歳でゴルフを始め、東京・代々木高3年時の18年にオーストラリアアマ選手権で日本人初V。18年アジア大会個人&団体金。21年アジア太平洋アマチュア選手権を制し、22年マスターズの出場権を獲得。21年9月のパナソニックオープンで日本ツアー5人目のアマ優勝。22年9月にプロ転向。日本ツアー通算4勝。23年日本ツアー賞金王。177センチ、75キロ。

 ◆欧州(DPワールド)ツアー 欧州だけでなく中東を含むアジア、アフリカなど24か国で年間44試合開催される(米ツアーと共催の4大メジャーを含む)。シーズンは前年の11月下旬から1年間。年間ポイント争いで有資格者を除く、上位10選手が翌年の米ツアー参戦資格を得る。22年12月から、日本ツアー賞金ランク3位以内の選手に出場権が与えられており星野、川村、中島、金谷、蝉川泰果が今季出場権を持つ。

最新のカテゴリー記事