◆米男子プロゴルフツアー メジャー初戦 マスターズ 第2日(12日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7555ヤード、パー72)
【オーガスタ(米ジョージア州)12日=高木恵】第1ラウンド(R)の残りと第2Rが行われ、68位発進の松山英樹(32)=LEXUS=は3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの74で回り通算6オーバーとし、ぎりぎりの50位で決勝ラウンドに進出。10年連続12度目の予選通過で、いずれも自身が持つ日本人の連続最長と最多記録を更新した。タイガー・ウッズ(米国)は1オーバーの22位。久常涼(21)=SBSホールディングス=は12オーバーの82位で予選落ち。スコッティ・シェフラー(米国)ら3人が6アンダーでトップに並んだ。
険しい表情で18番グリーンを下りた。松山は最終ホールでダブルボギーを喫し、ホールアウト時点では予選突破圏外に転落。「後半はボギーなく最後までいっていたけど、もったいないことをしてしまった」。13回目のマスターズが終わったかと思われた。しかし、その後の選手がスコアを落とし、ぎりぎり50位に滑り込んだ。薄氷の10年連続決勝ラウンド進出だった。
4オーバーで迎えた後半、カットラインは全く意識することなくプレーを続けたが、17番のリーダーボードに目をやると「5オーバー」の数字が飛び込んできた。2メートル弱のパーパットを打つ直前「『あー、やべーな』みたいな感じはあった」。集中力を研ぎ澄ませ、ねじ込んだ。「最後もパーでいけたら」と思った直後だった。ドライバーで打った18番の第1打は左の木に当たって150ヤードも飛ばず、第2打に300ヤード以上を残した。グリーン手前からの第3打も乗せられず4オン2パットを「残念な結果」と振り返った。
この日のオーガスタは最大風速19メートルを記録し、第2Rのアンダーパーは8人にとどまった。午後1時24分スタートの松山が受けた影響は大きかった。「後半は、より風を受ける感じがして、チャンスらしいチャンスはなかった」。砂ぼこりが舞い、グリーン上に葉が散り落ち、18ホールに約6時間を要したタフな一日。11番から13番の難所「アーメンコーナー」で強風のピークを迎えたが、しぶとくパーを拾い続ける強さを見せた。
首位とは12打差。3年ぶり2度目の優勝は厳しくなったが、残り36ホールで巻き返すチャンスを得た。「上位との差はだいぶあるが、一つでも良いスコアで回れるように頑張りたい」。取材対応を終えると、すぐに練習グリーンに向かった。日没間近の午後7時40分から、誰もいない練習場で黙々とボールを転がす姿に、闘志が宿った。(高木 恵)
◆マスターズのカットライン 36ホール終了時点での50位タイまで。2013~19年は「50位タイ」に加え「首位と10打差以内」が予選通過だったが、コロナ禍で11月開催となった20年大会から「10打差以内」の項目が廃止された。他のメジャーは、全米プロと全英オープンが70位タイまで、全米オープンは60位タイまでが決勝Rに進出する。