平田憲聖、23年ぶり月間3勝の強さの裏に母が感じた変化「あまり言わない言葉を最近は言っていた」


1番ホールでティーショットを打つ平田憲聖

1番ホールでティーショットを打つ平田憲聖

◆男子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(22日、兵庫・有馬ロイヤルGCロイヤルC=7100ヤード、パー72)

 2差2位から出た平田憲聖(エレコム)が7バーディー、ボギーなしの65で回り、通算25アンダーで今季4勝目、通算6勝目を挙げた。9月は3勝目となり、月間3勝は2001年の伊沢利光以来23年ぶり6例目で、獲得賞金は1億円を突破。23歳301日での年間4勝は18歳の石川遼、21歳の松山英樹に次ぐ年少3位と記録ずくめの優勝となった。

 ウィニングパットを決めた平田は、両手を掲げ、空を見上げた。「全部の気が抜けたような感じだった」。2差2位から逆転でつかんだツアー6勝目は、地元・関西での初栄冠。「地元で優勝したかった。今週は特に優勝だけ見て入ったので、実現できてうれしい」と、喜びをかみしめた。

 前半9番で2つ目のバーディーを奪い、首位の清水大成(25)=ロピア=を捉えた。ここから後半12番まで、圧巻の4連続バーディー。さらにパー3の14番で「100点満点。十分すぎる完璧なショット」と自画自賛の1打で、ピン1・5メートルの距離につけてバーディーパットを沈めた。初日から続いた混戦を一気に抜け出した。

 月間3勝は、ツアー史上23年ぶり5人目(6例目)の快挙だ。「他の選手がいいショットを打とうが、自分に影響を与えなくなってきた。前より自分のプレーにフォーカスできている」。2日目には2ホールで池に入れたが、ともにカバーしてパーでしのいだ。4日間でボギーをたたいたのは1度。最終日は2打差を縮められず、追い上げを受けても「勝負は後半」と割り切り、崩れなかった。

 母・勝美さんも変化を感じ取っていた。「自分で『優勝します』とかはあまり言わないけど、最近は言っていた。言うことで『やらないと』って。自分に対してのものだったのかな」。宣言通りにつかんだ今季4勝は、石川、松山に続く年少記録。平田は「僕は遼さん世代。活躍を見ていた。より身が引き締まる思い」と背筋を伸ばした。

 獲得賞金は1億円を突破し、昨年、同学年の中島啓太(24)=フリー=がつかんだ賞金王の座に、また一歩近付いた。「意識しない方がおかしい。絶対そこが目標」。言い切った23歳が、その歩みをさらに加速させていく。(瀬川 楓花)

 ◆平田が達成した記録

 ▽23年ぶり月間3勝(1973年のツアー制施行後) 1日が最終日だったフジサンケイクラシック、2週前のシンハン・ドンヘ・オープンに続き、今月3勝目。2001年10月の伊沢利光以来、史上5人目(6度目)の月間3勝を記録。

 ▽年少3位での年間4勝 23歳301日での年間4勝は09年の石川遼(18歳17日)、13年の松山英樹(21歳279日)に次いで年少3番目。

 ◆平田 憲聖(ひらた・けんせい)2000年11月26日、大阪・吹田市生まれ。23歳。祖父の影響で7歳からクラブを握り、12歳で本格的にゴルフを始める。大阪学院大3年時の21年、日本学生選手権優勝。同年12月プロ転向。昨年5月のミズノオープンでツアー初優勝。昨季の獲得賞金は約7900万円で6位。家族は両親、姉。170センチ、70キロ。

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