「ゴルフ以外に好きなことがなかったので…」 19歳の馬場咲希が見つけた”役立つ”趣味


18番、ティーショットを放つ馬場(カメラ・堺 恒志)

18番、ティーショットを放つ馬場(カメラ・堺 恒志)

◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス 第1日(25日、埼玉・武蔵丘GC=6650ヤード、パー72)

 22年全米女子アマ覇者で、今季は米下部ツアーを主戦場とした馬場咲希(19)=サントリー=が7バーディー、1ボギーで自己最少に並ぶ66をマーク。6アンダーで、首位と1打差の2位でスタートした。2週前の富士通レディース(14位)からショットを修正。プロテスト合格後2戦目でのVなら、笹生優花に並びプロ最速の記録となる。2週連続優勝がかかるイ・ミニョン(韓国)が7アンダーで単独首位。

 平日の雨にもかかわらず、多くの観客に見守られ、馬場が躍動した。人気プロ・臼井麗香(25)らと同じ組で約100人を引き連れた。圧巻は7番から。1・5メートルを沈めて勢いづくと、8番はグリーン外からパターで10メートルをねじ込み、9番パー5はウェッジで第3打をカップ横5センチにつけ、3連続で伸ばした。「ここまで良いスコアで回れるとは思っていなかった」と、この日唯一、会見場に呼ばれて笑みがこぼれた。

 グリーンを外したのは2回とショットが安定し、アマ時代のツアー最少に並ぶ66。2位発進も自己最高となった。2週前の国内プロデビュー戦、富士通レディース(千葉)では上位を争いながら最終日18番で痛恨のダブルパー。14位で終え、悔し涙を流した。試合のない前週はショットの修正に着手。「(前回は)自分の中で感覚がズレていた。考えながら練習して良くなった」と手応えをつかんだ。

 19歳にとっては、大好きな車の運転もリラックスになっている。今年に入り、免許を取得。米国では運転を我慢しているというが「ゴルフ以外に好きなことがあまりなかったので、運転がすごく楽しい。練習場やゴルフ場への行き帰りで」と、国内では先週もハンドルを握り、気分転換を図った。

 1打差の2位と好発進し、プロテスト合格後2戦目のVなら、笹生と並びツアー最速となる。今季は米下部のエプソンツアーで1度2位に入るなど奮闘したが、来季のレギュラーツアー昇格は逃した。「米国では父(哲也さん)と一緒ではなかったので、自分で考える力がついていればいい」と修正力も身につけつつある。12月の米最終予選会(アラバマ州)を控え、現状では最後の試合。「(涙した)先々週の学びをしっかり生かせるように、明日(26日)からも頑張りたい」。たくましくなったルーキーが、未来を切り開く。(岩原 正幸)

 ◆馬場の富士通レディース(11~13日) 初日は67で首位と3打差の7位発進。第2日は6バーディー、2ボギーの68で1打差の4位と、ツアー史上初のプロデビュー戦Vを狙える位置まで浮上。最終日は終盤まで優勝の可能性を残しながら、18番パー4で6オン2パットの8打を要した。14位に終わり「いい勉強になった」と涙を浮かべた。

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