稲見萌寧 米ツアー挑戦で「ゴルフをやりたくないところまでいった」 復活の一年へ「成功体験を」


練習グリーンで笑顔を見せる稲見萌寧(カメラ・今西 淳)

練習グリーンで笑顔を見せる稲見萌寧(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー開幕戦 ダイキンオーキッドレディス 指定練習日(4日、沖縄・琉球GC=6610ヤード、パー72)

 今季日本ツアーに復帰する稲見萌寧(フリー)は、10番からの9ホールを回って調整した。自身の状態は「10%くらい」と笑ったが昨年11月以来の実戦に、不安を残していると話した。オフは練習場でトレーニングとスイング調整を中心に行った。「ここ1~2週間でやっと、クラブを決められるくらいになった。開幕のために仕上げてきた感じではない」と25年の初戦は厳しい船出となりそうだ。

 昨年は米ツアーを主戦場にし、日米23試合に出場。だが、腰痛からスイング改造を試みたが奏功せず、予選落ちは13度、棄権も2回と苦しいシーズンとなった。「悪いショットのイメージで後遺症が残っている。それで怖がってスイングがやりきれない。練習場では良くなったけど、コース出るとまだダメ。さらに試合ってなると、どうなるんだろうという不安はすごくある」。20―21年シーズンには日本ツアーで9勝を挙げ、賞金女王に輝いただけに壁にぶつかったショックは大きく「ゴルフをやりたくないところまでいった。海外に行って生活や練習ラウンドは楽しいけど、試合は全然楽しくなかった」と当時の心境を明かした。

 そんな中でも、パターでは大きな収穫があったという。「この芝なら、どうしなきゃいけないというのを、すごいやってこれた」と胸を張った。メンタル面でも、これまでの狭く深くの考えから広く浅くという思考に切り替えた。「心に余裕ができた」と米国での経験でプラスになったことも数多くあった。

 今大会は21年7位、22年10位、23年2位と3年連続トップ10入りを果たしている。まずは予選通過を目標にすると話した。「2位とかはなっているけど(コースは)難しい。リハビリでここか」と現在の状態と照らし合わせると、ターゲットクリアは容易ではないと笑った。年間を通しては「なるべく早く優勝できるように頑張らないと。成功体験を積み重ねていくしかない」と力強く話した。東京五輪銀メダリストが復活劇に挑む。

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