青木功 注目の前沢杯に嘆き「俺が(会長)現役の時にやってほしかった。ちょっと頭にきている」


文化功労者顕彰を祝うモニュメントの前でポーズを取る青木功

文化功労者顕彰を祝うモニュメントの前でポーズを取る青木功

 男子ゴルフで日本ツアー51勝の青木功の文化功労者顕彰を祝う会が10日、都内ホテルで行われた。ゴルフ関係者のほか、岸田文雄前首相、プロ野球・ソフトバンク会長の王貞治氏ら750人が出席した。昨年10月に文化功労者に選出。ゴルフ界では樋口久子に次いで2人目となる。「自分が章をもらうなんて思わず『ウソだろう』と思った」と連絡を受けた当時を思い返した。「ゴルフは一辺倒でわがままにやってきた。それが評価されることは、自分じゃないような気がする。その分、喜びもひとしお。ゴルフは天職だというくらい没頭してきたから、こういう賞があるのかな」と選出に対してコメントした。

 昨年3月に4期8年務めた日本ゴルフツアー機構(JGTO)の会長を退任。現在は「人の上に立った苦労を癒やすために、少し遊んでいる」。今やりたいことを問われると「ジュニアに携わりたい。声をかけてくれたら時間の許す限り、行ってみたい」と答えた。AONとしてともに一時代を築いた尾崎将司、中嶋常幸はともにジュニア育成のアカデミーを主宰。だが、青木が求めるものは、2人とは異なるという。「技術もさることながら、プロゴルファーにならなくても、大人になってあいさつできる人間になるように、社会人になったときに必要なものを教えたい」と今後の構想を語った。

 今季は男子ツアーに賞金総額最大4億円、優勝8000万円の前沢杯(4月24~27日、千葉・MZ・GC)が開催される。プロアマ戦は異例の10日間など開幕前から大きな話題を呼んでいるが、青木もJGTOの会長時代に企画者の前沢友作氏とはコンタクトを取っていたと明かした。「前沢さんには俺が(会長)現役の時にやってほしかったよ。でも、私がやめてもやってくれた前沢さんは、少しは義理が働いたでしょう。私がのいた途端にやるから、ちょっと頭にきている」と冗談交じりに嘆いた。「いいのか、悪いのかは1回やってみて、選手とかスポンサーの反響を見てみたい。結果待ちですね」と新設大会の開催には注目している様子だった。

 2017年の中日クラウンズを最後に大会出場からは遠ざかっている。だが「やってみたい。試合に出てみたい」と意欲を燃やしている。「やるからには、遊びじゃないから。ハングリー精神はあるよ」と生涯現役を貫く姿勢は変わらない。82歳となった「世界のアオキ」のプレーを見られる日はそう遠くないかもしれない。

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