「あまり実感はないけど」生源寺龍憲がツアー初V 最終ラウンド悪天候で中止


算17アンダーでツアー初優勝を挙げ、トロフィーを掲げる生源寺(カメラ・渡辺 了文)

算17アンダーでツアー初優勝を挙げ、トロフィーを掲げる生源寺(カメラ・渡辺 了文)

◆男子プロゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ 最終日(13日、三重・東建多度CC名古屋=7069ヤード、パー71)

 最終ラウンド(R)は、降雨によるコースコンディション不良のため、中止となった。54ホールの短縮競技となり、第3R終了時点で通算17アンダーの単独首位だった生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、26)=フリー=がツアー初優勝を飾った。身長162センチと小柄な23年下部ツアー賞金王は今季開幕戦を制し、目標の米ツアー挑戦へ大きな一歩を踏み出した。優勝賞金は規定により75%の1950万円。

 午前10時50分。最終R中止のアナウンスが鳴り、生源寺の優勝が決まった。キャディー、トレーナーと喜び合い、選手たちからはウォーターシャワーで祝福された。「プレーしていないのであまり実感はないけど、皆さんにお祝いしていただきすごくうれしい。やっと勝てた」と表情が和らいだ。

 順調に見えたキャリアの裏に苦悩があった。23年、下部ツアー賞金王となり、昨年はアジアンツアーにも出場。得意のショットが通用しないことも多く、「自分が取り組んでいることの“答え合わせ”を早くしたかった」。同学年の昨季賞金王・金谷拓実(26)、大西魁斗(26)らは国内で優勝して海外に進出。2人に追いつくことが原動力となっている。

 今後目標は2人と同じ世界最高峰の米ツアー挑戦。この1勝は「弾みになる。いいスタートが切れた」と笑った。身長162センチと小柄だが158センチの比嘉一貴(29)、165センチの今平周吾(32)は国内賞金王にも輝いた。「活躍する姿を見てきたので、そうなりたい。自分にできることに注力していきたい」とハンデには感じていない。「体が小さくても、向こう(米国)で活躍してる選手はいっぱいいる。そういうポジションに行きたい」。開幕戦制覇から飛躍を遂げる。(富張 萌黄)

 ◆生源寺 龍憲(しょうげんじ・たつのり)1998年5月15日、山口県出身。26歳。ゴルフは10歳から。岡山・作陽高卒、渋野日向子と同級生。同志社大商学部卒。20年11月にプロ転向。23年、下部ツアーで2勝を挙げ同ツアー史上最高額の1125万3106円で賞金王。昨年1月にアジアツアーの出場権予選会を2位で通過し、15試合に出場。昨季賞金ランクは29位。特技は書道で7段。162センチ、65キロ。

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