蝉川泰果 肋骨の疲労骨折から復帰「原点に戻れた」、マキロイからパワーをもらい日本ツアー今季初戦


プロアマ後に取材に応じる蝉川泰果

プロアマ後に取材に応じる蝉川泰果

◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ プロアマ戦(30日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)

 3月に左肋骨の疲労骨折が判明したツアー4勝の蝉川泰果(アース製薬)が、日本ツアー今季初戦を迎える。クラブを握ったのは2週前で、骨折が分かって以降、18ホールを回ったのはこの日のプロアマ戦が初めて。「これだけ仕上がっているグリーンやフェアウェーやラフとなると、まだまだ準備不足だなというのは感じる。でも試合でしか吸収できないことも多いし、明日からいっぱい勉強できる。このケガを経て、ゴルフが純粋に好きだし、楽しいと思ってできている。原点に戻れた」と笑顔で語った。

 今年は1月から米下部コーンフェリーツアーで戦ってきたが、4戦目となった2月のコロンビアでの試合で背中に痛みを覚え、第1ラウンドの7番で途中棄権を余儀なくされた。あふれる涙は、宿泊先の部屋に到着しても止まらなかった。「本当に悔しくて、あんなに泣いたことは本当にないなというぐらい、ずっと泣いていた」

 帰国後の3月に検査を繰り返した結果、背中側の左肋骨3本の疲労骨折と診断された。当初は5月15日開幕の関西オープンでの復帰を予定していたが、3週前に国内開幕戦の東建ホームメイトカップ、海外メジャーのマスターズを自宅で観戦し、変わった。「やっぱり出たい、という気持ちがすごく出てきた」という。

 ロリー・マキロイ(英国)のキャリアグランドスラムに沸いた今季のメジャー初戦に、心が燃えた。「すごかった。仕事としてじゃなく、プレーヤー、ゴルファーとして、本当にゴルフをうまくなりたいという思いや、楽しんでいる姿をテレビから感じた。今までは手堅くいったりしていた部分が自分の中ではあったけど、そういう部分よりも、どれだけ自分が楽しくできるかなと今は思う」

 医者からは「治すのに半年かかる」と言われた。特に雨の日は、まだ違和感を覚えることもある。「リハビリをしながらというか、以前より体のケアに気を使いながら今はやっている」。スタート前、就寝前のストレッチに割く時間を増やし、一時は84キロまで増えた体も3キロ絞ってきた。「上位、トップ10というところは見ていきたい」。約3か月ぶりに迎えるトーナメントでのラウンドで、幸せをかみしめながらクラブを振る。

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