
ウィニングパットを決めてガッツポーズする菅沼菜々(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 最終日(4日、千葉・浜野GC=6751ヤード、パー72)
首位から出た菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算10アンダーで逃げ切り、23年10月の延田グループ・マスターズGCレディース以来、約1年7か月ぶりのツアー3勝目を挙げた。昨季は29試合に出場して16試合で予選落ち。メルセデス・ランクは79位に沈み、シードを喪失した。今季のQTランクも102位と、数少ない出場機会をものにした。苦しい時期を乗り越え“ゴルフ界のアイドル”が復活を遂げた。
表彰式では「私は昨年本当に苦しくて、復活をこんなに早くできると思っていなかったので、あまり信じられない。また優勝することができて、本当にうれしい。私はこれからもっと、もっとゴルフ界が盛り上がって、女子プロゴルフの魅力を1人でも多くの方に知っていただけるように、私自身が少しでも力になれるように、頑張っていきます。これからも女子プロゴルフのことも、私のことも応援よろしくお願いします」とスピーチした。
大会初日は悪天候により、14ホールをプレーし、サスペンデッドに。第2日は強風の中、22ホールをプレーしたが、第2ラウンド(R)で6バーディー、ボギーなしの66をマーク。60台は昨年10月の富士通レディース第1R以来だった。前回優勝時以来の最終日最終組をプレーしたこの日。1番でアプローチを寄せられず、ボギー発進に。2番は7メートルをねじ込み、バウンスバック。8番で同組になった蛭田みな美(ユアサ商事)がホールインワンを記録し、1打差2位に後退。9番パー5で3打目を寄せ、再び首位に並んだ。
後半に入ると勢いが加速。4人首位に並んだ11番で4メートルを沈め、単独首位に。12番は6メートルのフックラインをねじ込み、14番は手前3メートルのバーディーパットを決めてガッツポーズを作った。3打差で上がり3ホールを迎え、そのまま見事に勝ちきり、集まった多くのファンへ最高の笑顔を届けた。グリーンを出て、関係者に出迎えられると涙を流して喜んだ。
前週は男子ツアーの前沢杯に出場。「去年悪かったイメージが残っていて、振れなくなっていた。先週の前沢杯で悪いイメージが払拭(ふっしょく)できた」。前沢杯の第1ラウンドでは、国内男子ツアー女子選手初のイーブンパーをマーク。通算7オーバーの89位に終わったが、「毎日、風が強くていい経験になった。皆さんのアプローチやパッティングもすごく勉強になったので、身になった。最初で最後かもしれない。宝物になった」と自身初の男子ツアーは大きな刺激を受け、今大会での躍進につなげた。
2日には自身初の写真集「Nana’s moment」を発売した。2月には臼井麗華とアイドルユニット「Chell7」(ちぇるなな)を結成。約500人を前に「会いたかった」(AKB48)や「Yeah!めっちゃホリディ」(松浦亜弥)などをキレのあるダンスとともに熱唱した。この日も多くのギャラリーが応援タオルを掲げながら帯同。ひときわ大きな声援も届いた。復活を遂げたアイドル・菅沼がコース内で輝きを放った。
菅沼 菜々(すがぬま・なな)
▽生まれ、サイズ 2000年2月10日、東京・立川市生まれ。25歳。158センチ
▽ゴルフ歴 5歳から始める。埼玉栄高3年の17年、日本ジュニアで優勝。18年のプロテストで一発合格
▽SNSで発信 インスタグラムのフォロワーは8万人超。「頑張っているところを見せたくない」と私服の写真を多めに投稿している
▽アイドル好き 乃木坂46の大ファン。「推しメン」は一ノ瀬美空
▽趣味 住宅展示場に行くこと。「お城みたいなおうちを建てたい」
▽キャラクター好き ヘッドカバーにディズニーキャラクター「ダッフィー」を使用
▽家族 両親
▽得意クラブ パター
▽血液型 AB