
優勝会見で喜びを語る浅地洋佑
◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 最終日(4日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)
浅地洋佑(31)=フリー=が涙の復活優勝を飾った。首位タイから出ると3バーディー、2ボギーの69で回り、通算7アンダーで逃げ切り、2021年マイナビABC選手権以来の4年ぶり4勝目。22年に陥った極度の不振から復調し、21年はトップで最終日を迎えながら5位に終わった大会で、雪辱を果たした。岩田寛(44)=フリー=、宮里優作(44)=大和ハウス工業=が6アンダーで2位。石川遼(33)=カシオ=は67で回り、2アンダー14位だった。
浅地の目が潤んでいった。「ようやく報われる」。30センチほどの短いウィニングパットに、これまでの長い道のりへの思いを込めた。「この3年間ぐらい、ほぼいいことがなかった。普段は泣いたりしないんだけど、いろいろ思い出して勝手に涙が出た」。和合の18番グリーンで天を見上げ、肩を震わせた。
21年最終戦後に2週間のオフを取り、始動した。久々にクラブを握った。「あれ?」。感覚の狂いは突発的にやってきた。「曲がるし、飛ばないし、乗らないし」で練習ラウンドで80をたたくこともあった。試合会場に行くのがつらかった。「練習もしたくなかった。見られたくなかったから」
スランプに陥った期間中も「唯一変わらずにキープできた」というアプローチで、2つのチップインバーディーを奪い勝利をものにした。昨年1月から植村啓太コーチに師事し、スイングは復調。「そろそろ国内メジャーを取りたいという気持ちが湧いてきた」。自信が宿るまなざしで、明るい未来を見据えた。(高木 恵)
◆浅地 洋佑(あさぢ・ようすけ) 1993年5月24日、東京都生まれ。31歳。6歳で競技を始める。東京・杉並学院高時から「石川遼の後輩」として注目され、卒業前にプロ転向した。ツアー参戦1年目の2012年に賞金ランク67位で初シードを獲得。19年のアジアパシフィックオープンダイヤモンドカップで初優勝を飾った。昨季はバンテリン東海クラシックの9位が最高で、賞金ランクは60位。169センチ、68キロ。