
後藤勝キャディー(左)とコースを移動する佐久間朱莉(カメラ・馬場 秀則)
◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 最終日(25日、愛知・中京GC石野C=6642ヤード、パー72)
プロ5年目の佐久間朱莉(大東建託)が5バーディー、1ボギーの68で回り、大会記録を更新する通算20アンダーでツアー2勝目を挙げた。
最終18番。ウィニングパットを決めた佐久間は左手を高らかに突き上げ、後藤勝キャディーとハグして喜びを分かち合った。初日から首位を守る完全V。早いうちに2勝目ができてうれしい」と笑顔がはじけた。
優勝会見では、後藤キャディーへの信頼を語った。
愛称は「ジョンさん」。妻の福嶋浩子、鈴木愛、西郷真央ら多くのプロゴルファーをサポートし、通算12勝に貢献してきた。佐久間は22年11月のTOTOジャパンクラシックからタッグを組んできた。「普段は大したことを話してないけど…」と笑みを浮かべつつ、後藤キャディーとのやり取りを明かした。
14番は第2打をグリーン奥に外した中でパーセーブし、16番は第2打を右の林に打ち込んでボギーをたたいた。度重なるピンチの際には「時間かけていいよ」と温かい言葉をかけてくれた。佐久間は「長いパーパットが残っても『決めよう!』とスパッと言ってくれる。安心して頼れるキャディーさんと戦えることはうれしい」
各コースでの戦略、クラブ選び、グリーンでのライン読み。大柄の後藤キャディーから佐久間へのアドバイスや声かけは、周囲のギャラリーに漏れ聞こえてくることも多い。佐久間は「ピンチの時に落ち着かせてくれる言葉が多い。アプローチをミスしても『入れれば大丈夫。これ、決めよう!』と言ってくれる。イラッとしても落ち着かせてくれる」とかみしめた。
後藤キャディーは「目標は常に高く。60、61で回れば優勝は確定する。優勝を気にするのではなく、この素晴らしいコースと勝負すること」と呼びかけたという。佐久間の強さについて「パッティング、ショット、ショートゲームと自分に足りないスキルや気づい�\x81\x9Fことを1つ1つコツコツやれる。それを続けることができる」。4月に初優勝後、4戦で2勝目を挙げたことに「強くなってきましたね」と感慨深げに話した。
今季ツアーで複数勝利は佐久間のみ。メルセデスランクと賞金ランクはともに3位からトップに躍り出た。「年間女王を目指したい。5(勝)くらいいけたら。メジャーを勝ちたい」。最高の“相棒”とともに、佐久間は快進撃を続ける。(星野 浩司)