瀬戸内の「爆風」が追い風に ツアー初V目指す30歳・阿久津未来也「あとは明日の風次第(笑)」


通算12アンダーで首位に立った阿久津未来也(カメラ・谷口 健二)

通算12アンダーで首位に立った阿久津未来也(カメラ・谷口 健二)

◇男子ゴルフ ミズノオープン 第3日(31日、岡山・JFE瀬戸内海GC=7461ヤード、パー72)

 ツアー未勝利の阿久津未来也(みきや、30)=フリー=が3差4位から出て、6バーディー、2ボギーの68で回り、通算12アンダーで単独首位に躍り出た。瀬戸内海の潮風と、コースをよく知る女子プロのキャディーを味方に付け、自身2度目の最終日最終組で初優勝を目指す。今大会は有資格者を除く上位3人が海外メジャー、全英オープン(7月、ロイヤルポートラッシュGC)の出場資格を得る。

 瀬戸内海の潮風と勢いに乗って、阿久津がギアを上げた。16番パー3だ。14メートルを強気に攻め、全身でガッツポーズ。「ガシャンって入ってくれて、まだ運はあるかな」と、15番からの連続バーディーで一気に単独首位に立った。節目の30歳での初Vも見え、「ラッキーもないと上には行けない。全英に出たい気持ちはやまやま。でも、日本ツアーで優勝したい気持ちの方が大きい」と語った。

 潮風が南から北からと吹き荒れる難関コース。18番パー5は「カート道に当たるとか、危うくボギーだった」と苦戦しながらも耐え抜き、首位を守り切った。「並大抵の風じゃない。(最後の3ホールは)爆風だった。でも、球も上がらないし、スピンも少ないから、風の影響を受けにくい。風が吹いた方が戦える」と得意げに話した。

 強い味方もいた。今大会のキャディーは女子プロの田辺ひかり(28)=伊藤園=。3月のイベントで一緒になったことが縁でタッグを組んだ。水先案内人の田辺は今コースに近い広島・福山市出身で100回以上ラウンドを経験。「グリーンの癖を聞くと答えてくれる」と助言をもらった。昨年8月以来となる最終日最終組。「あとは明日の風次第ですね(笑)」と阿久津。風を読み切り、悲願の初優勝を果たす。(森脇 瑠香)

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