
比嘉一貴
◆男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 BMW日本ツアー選手権森ビル杯第1日(5日、茨城・宍戸ヒルズCC西C、7397ヤード=パー70)
22年大会覇者の比嘉一貴(30)=フリー=が4バーディー、1ボギーの67で回り首位と2打差の2位と好スタートを切った。沖縄出身、身長158センチの小兵は平均飛距離が昨年より約14ヤード増の298ヤードと飛ばし屋に進化。23年に本格参戦したとしていた欧州ツアーから昨年、日本に主戦場を戻した30歳が、3年ぶり2度目のメジャーVで通算7勝目を狙う。小木曽喬(28)=フロンティアの介護=が5アンダーで単独首位発進した。
ツアー最小兵、158センチの比嘉が初日からエンジン全開だ。1番で2メートル、2番で3メートルに寄せて連続バーディー。6、9番と前半で一気に4つ伸ばした。最終18番で唯一のボギーをたたいたが、メジャー仕様の難コースで首位と2打差の3位。「ショットが安定している。他の選手が手こずってるホールで伸ばせた」と自画自賛した。
前々週のメジャー、日本プロゴルフ選手権で3位、前週は5位と好調が続く。22年に自身初のメジャー優勝を飾った大会だが「得意なイメージはない。あの時はトップの選手が終盤に落としたり、ラッキーだった」と慢心は一切ない。
今季の平均飛距離は、昨年より約14ヤード増の298ヤードと長距離砲に成長。23年に欧州ツアーを主戦場としたことで「ドライバーの重要性を感じた」という。自重の筋トレは昨年より負荷や回数を増やし、スイング時のヘッドスピードは昨年の秒速49・2メートルから同51メートルに上がった。この日は588ヤードと長い6番パー5で2オンに成功してバーディー奪取。「今までのトレーニングが結びついた」と積み重ねが結果に表れている。
23年は欧州ツアーに20戦、昨年は欧州5戦にアジアンツアー11戦に参戦しながら国内でも19戦出場とフル稼働。だが、今季は1~3月にアジア、4月の国内ツアー開幕後は全7戦に出場している。「海外と国内を行き来したらキツいけど、国内でやってるのでそこまで疲労度はない」と比嘉。大会、筋トレ、ケア、回復と良いサイクルがコンディション維持につながっている。
3年前は国内4勝を挙げて史上最小賞金王に輝いたが、勝利から2年半遠ざかっている。比嘉は「せっかく今日伸ばせたものを明日台なしにしないように。リードして最終日に勝ちたい」。もの静かな言葉に、メジャー2勝目への強い闘志をみなぎらせた。(星野 浩司)
◆比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年4月23日、沖縄・うるま市生まれ。30歳。10歳からゴルフを始め、沖縄・本部高では宮里藍さんの父・優さんに師事。東北福祉大で2015年ユニバーシアード団体&個人金メダル。16年日本オープンでベストアマ。19年RIZAP・KBCオーガスタで初優勝。22年はBMW日本ツアー選手権森ビル杯でメジャー初制覇など4勝を挙げて初の賞金王。国内ツアー6勝。趣味はサウナ。158センチ、70キロ。