22歳佐久間朱莉が麗央ロード! 4月のツアー初制覇からもう3勝、年間女王「有言実行したい」


通算11アンダーで今季3勝目を挙げ、優勝杯を手にする佐久間(カメラ・今西 淳)

通算11アンダーで今季3勝目を挙げ、優勝杯を手にする佐久間(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 最終日(29日、千葉・カメリアヒルズCC=6688ヤード、パー72)

 2位から出た佐久間朱莉(しゅり、22)=大東建託=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算11アンダーで逆転し、今季3勝目を挙げた。賞金総額3億円のビッグトーナメントを制し、5400万円を獲得。今季獲得賞金は歴代5位の15戦目で1億円を突破、生涯獲得賞金も3億円を超えた。年間ポイントランクトップを独走中で、昨季の竹田麗央(りお、22)に続く初優勝からの女王戴冠へ、また一歩近づいた。

 ウィニングパットを沈めた佐久間は、左手を胸に当てた。「今週を楽しんだつもりだったけど、やっぱり長かった」。3度目の勝利。真っ先に浮かんだ感情は、安堵(ど)だった。ツアー最高の優勝賞金5400万円に「ラッキー」とにっこり。15戦目で早くも1億円を突破。自身の昨季の獲得賞金を上回り「超えられてよかったと思うけど、もっと稼ぎたい」とほほ笑んだ。

 ワンオンを狙った243ヤードの2番パー4で、第1打をグリーン手前の池に入れ、ボギーが先行した。前半終了時にはトップとの差が3打に開いたが、焦りはなかった。「ジワジワいこうと。自分のプレーに集中できればチャンスはあると思った」。15番パー3で、5メートルのバーディーパットをねじ込み菅沼を捉えると、自然とガッツポーズが飛び出した。

 昨年は2位が3度ありながら、初優勝に届かなかった。「このチャンスを生かさないともう勝てない」と自分を追い込んでいたが、4月のKKT杯バンテリンレディスでの勝利で精神的な余裕が生まれた。毎試合同行する父・浩太郎さん(54)は「1勝してから変わった。前までは1番からガチガチだった。今はボギーを打とうがダボを打とうが落ち着いている」と成長に触れた。

 プレースタイルにも変化があった。「ショットメーカー」と呼ばれてきた佐久間だが、今季はグリーン上でスコアを作っている。ラウンドごとの平均パット数は昨年の29・4775(32位)から28・4694(3位)に向上。オフの間に体幹と腹筋を鍛え、頭が左右にぶれなくなったことでストロークが安定した。

 昨季は竹田がツアー初優勝から計8勝を挙げ、年間女王まで上り詰めた。前半戦の6月終了時点で3勝は、昨季の竹田と同じで賞金は約2187万円上回った。「5勝したいし、メジャーも勝ちたい。2勝した時に年間女王を目指すと宣言したので、有言実行したい」。群雄割拠の25年シーズン。“竹田ロード”を行く歩幅をまた広げた。(高木 恵)

 ◆今季の佐久間と昨季の竹田 24年の竹田は4月のKKT杯バンテリンレディスで初優勝。翌週のフジサンケイレディスで2勝目をつかむと、5月のブリヂストンレディスで3勝目。6月末時点で、16試合出場でポイントランクは山下美夢有に5ポイント差の2位(1668・46ポイント)。賞金も9415万8000円で、小祝さくらに続く2位だった。25年の佐久間は4月のKKT―で初優勝すると、5月のブリヂストン―で2勝目。6月末時点では15試合出場で、ポイントランクは2位の神谷そらに341ポイント差をつけてトップ(1255・44ポイント)で、賞金も1億1602万8200円で1位。

 ◆佐久間 朱莉(さくま・しゅり)2002年12月11日、埼玉・川越市生まれ。22歳。父の影響で3歳からゴルフを始める。19年の日本ジュニアで2位に入り、翌年アマ日本代表入り。21年に埼玉平成高を卒業し、同6月のプロテストにトップ合格。昨年は3度の2位を含むトップ10入り14回で、メルセデス・ランクは自己最高の8位だった。師匠は尾崎将司。155センチ。家族は両親と兄。

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