
近藤智弘
◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 最終日(29日、栃木・西那須野CC=6956ヤード、パー71)
48歳ベテランの近藤智弘(三甲GC)が9バーディー、ボギーなしで今大会ベストの62をマークし、通算18アンダーで今季自己ベストの6位に入った。
9番で第2打を50センチにピタリと寄せ、前半だけで4つ伸ばすなど、3度の2連続を含む計9バーディーと量産した。「今週はショットがずっと良かった」と自画自賛し、この日のパット数22はこの日全体1位。22年に59の自己ベストを出したが、62のビッグスコアに「コースがこれくらい短ければゴルフが楽しいよね」と笑顔を見せた。
「ほぼ、ぶっつけ(本番)だった」。開幕前日の25日は大雨のため練習ラウンドは行えずに大会へ入った。今週は女子プロの安谷屋(あだにや)美佳をキャディーに迎えて初タッグ。西那須野CCの元所属プロの安谷屋からグリーンの傾斜などアドバイスをもらい「心強かった」と感謝した。
プロ26年目。20歳以上も年下の選手が台頭し「時代は変わった。名前も顔も分からん選手もいっぱいいる。なかなか若手とコミュニケーションも取れない」と悩ましい。300ヤード近く飛ばす若手に飛距離で置いていかれることも多いが、「今年は置いていかれる幅が、わりかし良い」と言う。
3週間前。18歳下の稲森佑貴(国際スポーツ振興協会)から学びがあった。昨年まで9季連続でフェアウェーキープ率1位で「日本一曲がらない男」の異名を持つ30歳と、BMW日本ツアー選手権森ビル杯(5~8日、茨城・宍戸ヒルズCC)で同組で回った。
「稲森は俺より20ヤードも飛ばないけど、あの成績を出すわけだから、飛距離だけでは言い訳できんと感じてる。この正確性で、これだけフェアウェーに行って、フェアウェーウッドとユーティリティーがうまくて。正確性がおそろしかった。だから、そこは自分が目指すポイント。格好いいな、これがプロやと思った。参考にしたい」
直近2~3年は体が万全の状態にならず、練習も十分にできなかったが「今年はトレーニングを3年ぶりにやれてる痛み止めも飲んでない」とコンディションは上々だ。今季は出場8戦で予選落ちが4回と振るわなかった中で、今大会は初のトップ10入りと存在感を示した。「まずは休まず出たい。シードは大きな目標としてある。優勝? ワンチャン(ス)あると思ってやる」と前向きに言い切った。(星野 浩司)