ライバルの中島には絶対に負けられない金谷
男子プロゴルフツアー今季最終戦のメジャー、日本シリーズＪＴカップが４日から４日間、東京・稲城市の東京よみうりＣＣ（７００２ヤード、パー７０）で行われる。初日の組み合わせが２日、発表された。昨年賞金王で今季米ツアー１年目でシードを獲得した金谷拓実（２７）＝ＳＯＭＰＯひまわり生命＝、２３年賞金王で欧州を主戦場とする中島啓太（２５）＝フリー＝がともに凱旋出場。初日は２３年大会以来の同組となり、米国、欧州で培った経験をひっさげ、ともに大会初優勝を狙う。
金谷は入念にショットやパットを繰り返した。強い日差しと風を浴びながら、練習ラウンドでインの９ホールをプレー。過去に出場したＪＴ杯４大会はすべてトップ５入り。昨年大会は３位に入り、逆転で初の賞金王に輝いた吉兆の地に帰ってきた。「相性は悪くない。特別な大会。優勝したことがないので、名前を刻みたい」と初Ｖへ気合を入れた。
今季から米ツアーに本格参戦。前半戦は４週連続の予選落ちが３度と苦戦が続き「落ち込むけど、全然つらくはなかった。毎日成長することを心がけ、楽しかった」と言う。９月に国内のＡＮＡオープンで優勝後、米ツアーで２度のトップ５入り。２週前の今季最終戦で予選落ち後、当落線上にいた来季シードは「外れたと思った」と早々に帰国した。だが、羽田空港に到着後にポイントランク９９位で初シードの吉報が届いた。
飛躍の１年を終え、３年連続５回目出場の今大会は初日に中島啓太と同組でプレー。アマチュア時代からしのぎを削り「ライバルだし、同じ志を持ってやってきた数少ない仲間」と高め合ってきた。第１組で午前９時半にスタート。「後続の選手も『もっと頑張るぞ』と思うように、スタートからいいプレーをしたい」と２人で大会に風を吹かす。
今季米ツアーでフェアウェーキープ率７４・０７％は全体１位。「飛距離では劣るけど、国内からやってきた強みを出せた。優勝するチャンスもあったし、すごく自信にもなった」。中島とともに、世界で培った技で今季最終戦を湧かせる。（星野 浩司）
◆中島と金谷の２３年 中島が３勝、金谷が２勝を挙げ、終盤まで賞金王を争った。６月のＡＳＯ飯塚チャレンジドで、プレーオフの末に中島が金谷を破りツアー初優勝を手にし涙を流した。日本シリーズＪＴカップでも３日目まで同組で回り「令和の名勝負」を展開。初日は中島１位、金谷２位のワンツー発進し、２日目も同順位を守った。中島１位、金谷３位で最終日へ。蝉川泰果が優勝し、２人はともに１４アンダーの２位で大会を終えた。