中島啓太、初優勝へ「勝てそうで勝てない。リベンジしたい」…過去2年とも最終日トップも惜敗


パターの練習に励む中島

パターの練習に励む中島

 男子プロゴルフツアー今季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップが4日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で行われる。初日の組み合わせが2日、発表された。昨年賞金王で今季米ツアー1年目でシードを獲得した金谷拓実(27)=SOMPOひまわり生命=、23年賞金王で欧州を主戦場とする中島啓太(25)=フリー=がともに凱旋出場。初日は23年大会以来の同組となり、米国、欧州で培った経験をひっさげ、ともに大会初優勝を狙う。

 得意コースに中島が帰ってきた。岩田、下家とインコースを回り、グリーンの傾斜などを入念に確認した。直前の世界ランク(98位)の資格で出場が決まった今季初の日本ツアー。「優勝争いをしたい。僕のゴルフを見に来てくれる友人、家族、ファンの皆さんに喜んでもらえるプレーがしたい」。23年賞金王は、低くよく通る声で言葉に力を込めた。

 過去2年とも最終日をトップで迎えながら23年は1打差の2位、24年は4位と惜敗が続いている。昨年は第3ラウンドのスタート前にぎっくり腰を発症。背中全面にテーピングを施してのプレーだった。3日目はなんとか持ちこたえたが、最終日はクラブを振るのがやっと。「チャンスはあったのに、勝てそうで勝てない。今年はそのリベンジをしたい」と燃えている。

 欧州を経由し、来季から主戦場を米国に移す。2週前に最終戦を迎えた欧州ツアーで今季のランキング14位に入り、有資格者を除く10位以内に付与される米ツアー出場権を獲得したばかり。今年から米国に渡った金谷も、来季のシード権を確保した。ジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)を続けてきた仲だけに「来年一緒にやれるのがうれしい」と心が躍る。

 1日にアウトコースを一緒に回り、近況報告をしあった。2年前は初日から3日連続で同じ組に入り、最後まで優勝を争った。今年の第1Rは金谷と同組。「すごく楽しみ。最終日最終組で一緒に回りたい。金谷さんは絶対に上に来る。あとは僕次第」。東京よみうりで、今年も新たな名勝負を生む。(高木 恵)

 ◆中島と金谷の23年 中島が3勝、金谷が2勝を挙げ、終盤まで賞金王を争った。6月のASO飯塚チャレンジドで、プレーオフの末に中島が金谷を破りツアー初優勝を手にし涙を流した。日本シリーズJTカップでも3日目まで同組で回り「令和の名勝負」を展開。初日は中島1位、金谷2位のワンツー発進し、2日目も同順位を守った。中島1位、金谷3位で最終日へ。蝉川泰果が優勝し、2人はともに14アンダーの2位で大会を終えた。

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