米沢蓮が前沢杯で2年ぶり3勝目 昨年の結婚後初優勝 地元・岩手県を拠点に活動を続ける26歳「責任感は昔より強くなった」


表彰式で優勝トロフィーを手に笑顔の米沢蓮(右) 。左は前沢友作氏(カメラ・頓所 美代子)

表彰式で優勝トロフィーを手に笑顔の米沢蓮(右) 。左は前沢友作氏(カメラ・頓所 美代子)

 単独首位から出て67で回った米沢蓮(26)=LAND CARRY=が、通算23アンダーで並んだ宋永漢(韓国)とのプレーオフを1ホール目で制し、2024年横浜ミナトチャンピオンシップ以来となる2年ぶり3勝目を挙げた。昨年の結婚後初勝利を、会場で見守った妻に届けた。ツアー屈指の高額賞金大会を制し、賞金4000万円を獲得。生涯獲得賞金は2億円を突破した。

 1メートル強のウィニングパットが、手前で突然右に切れかけた。米沢の顔が青ざめた。「やばい。蹴られる」。プレーオフ1ホール目のバーディーパットは、祈りとともにカップ縁から転がり込んだ。大きく息をつくと、天を見上げた。「もう勝てないんじゃないかと思っていた。やっと勝てた」。喜び、安堵(あんど)、様々な感情をキャディーとの抱擁に込めた。

 後続に2打差をつけて迎えた17番パー5で、試練が訪れた。4オン2パットのボギーを喫し「やっちまったな、と思った」。18番をパーで終え、宋と並んでプレーオフへ突入。「絶対にバーディーを取る」とすぐに気持ちを切り替えた。残り152ヤードの第2打を8アイアンでピンにからめ、勝負を決した。

 苦しい2年間だった。2024年に左半身に帯状疱疹が出たのが始まりだった。今も座骨神経痛に悩まされている。国内開幕戦の東建ホームメイトカップを途中棄権した。「いつ痛みが出るのか。いつ、いいプレーができなくなるかなという恐怖は常にある」。考え方を変えた。「勝ち負けよりも、一日一日、今のベストを尽くす」ことにフォーカスするようになった。

 最愛の人が支えになった。結婚したのは昨年。始発の新幹線で盛岡からかけつけた妻に、結婚後初勝利を届けた。「責任感みたいなものは絶対に昔より強くなった。プレーにも、いい方につながっている」と感謝した。妻も「勝つと信じていた。プレーオフの2打目は、ちょっと泣きそうになった」とかみしめた。

 岩手県出身の米沢は、今も地元を拠点にしている。大槌町の山林火災は懸命の消火活動が続き、大会中も気に懸けていた。「雨も少なかったと思うし、風も強かったので。なんとか良くなってくれればいいなと」。ポイントレースはトップに浮上。家族と故郷への愛を力に、目標の年間王者へ進む。(高木 恵)

 ◆米沢 蓮(よねざわ・れん)1999年7月23日、盛岡市生まれ。26歳。9歳の時、家族で大型家具店の「ニトリ」に行ったが開店時間前だったため、隣接したゴルフ練習場で初めてクラブを握った。盛岡中央高から東北福祉大に進学し、2018年アジア大会団体戦金メダル。4年時の21年12月にプロ転向し、22年からツアー本格参戦。23年に賞金ランク22位で初シード。趣味はドライブ、スポーツ観戦。得意クラブはサンドウェッジ。174センチ、80キロ。

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