
優勝しバンザイをする阿部未悠(カメラ・中島 傑)
◆女子プロゴルフツアー ▽明治安田レディス 最終日 19日、宮城・仙台クラシックGC、賞金総額1億円(優勝1800万円)、観衆3904
プロ6年目の阿部未悠(25)=ミネベアミツミ=が2年3か月ぶり2勝目を飾った。3打差5位で出て4連続を含む9バーディー、ボギーなしで大会コース記録と自己最少の63をマーク。一時は3打差以内に20人がひしめいた大混戦を制し、通算20アンダーで逆転優勝した。優勝賞金1800万円を獲得。昨年大会は開幕前日に会場内でクマの目撃情報があり、3日間短縮で無観客開催されたが、今年は有観客で4日間の大会を無事に終えた。
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酷暑のバーディー合戦を阿部が逆転で制した。1番から4連続で伸ばすなど9バーディー量産し、連日の自己ベスト更新となる63。遠かった2勝目をつかみ「すごくうれしい。パターもショットも攻め切ることができた」。小田和正の名曲「たしかなこと」が響く表彰式で喜びをにじませた。
大ピンチを乗り越えた。13番パー4、グリーン左バンカーからピンが近い難しい第3打を60度ウェッジで2メートルに寄せてパーセーブ。今季から師事する森守洋コーチに「苦手のバンカーショットをどうにかしたい」などと頼み技術力をアップ。15番からは3連続バーディーを奪い、大混戦を抜け出した。
前週は所属企業の冠大会・ミネベアミツミレディスで3打差の2位。初の予選通過を喜んでくれた所属先社員と裏腹に「伸ばし切れなくて悔しかった」と涙を流した。「絶対に今季は勝つぞ」。決意を新たにした7日後に雪辱を晴らした。
昨年3月に「週刊文春」で既婚男性キャディーとの不倫が報じられ、5月に日本女子プロゴルフ協会から厳重注意など処分を受けた。7月にプレーヤーズ委員長を辞任。プライベートで世間を騒がせた1年を経て、待望の復活Vだ。優勝会見では一連の問題に関する質問は受け付けられず、阿部自身も触れなかったが「いろんなことを考えたら、いろんな思いもある。素直にうれしい」と語った。
野生動物の写真撮影が趣味で、自称「ネイチャー系カメラマン」。昨年末、地元・北海道のウトナイ湖で「雪の妖精」と言われる白い鳥・シマエナガを初めて撮影できた。いつも2~3時間探し歩いても出会えなかった鳥を激写し、スマホの待ち受けに。「今年はいいことがあるかなと思っていたら、勝てて良かった」と幸運を運んでくれた。
2000年度生まれのミレニアム世代で通算23勝目。年間ポイントランクは8位に浮上した。阿部は「3勝目、4勝目と続けるように頑張りたい」と高らかに宣言した。(星野 浩司)
【ちょっといい話】阿部の母・早苗さんは「つらい時、勝てない時に支えていただいた。『早く勝ちたい』と頑張っていたのを見ていたので、本当にうれしい」と目を潤ませた。2年間の成長を「ショットもパターも自分に合ったコーチを自分で探して、きちんと話し合って進めてこれた」とたたえた。ツアー全試合に同行し、娘をサポート。過密で不規則な日程だが、朝食の弁当やおにぎり、補食用にマスカットなどフルーツを用意する。阿部の成績が振るわない時も「大丈夫だよ」「自信持って行っといで」と言葉をかけ続けた。阿部は「自分の時間よりも私のゴルフを優先してくれる。本当にありがたい」。家族への感謝を忘れなかった。(星)
◆阿部 未悠(あべ・みゆう)2000年9月27日、北海道・恵庭市生まれ。25歳。父・敏春さんの影響で10歳から競技を始め、中高時代を福岡で過ごす。第一学院高卒業後、北海道女子アマ選手権V。20年度プロテスト(21年6月実施)に2度目の挑戦で合格。24年富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで初優勝。通算2勝。スポーツ歴はクラシックバレエ。155センチ。家族は両親。

