
優勝インタビューに応じる内藤寛太郎(カメラ・高木 恵)
◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 最終日(20日、北海道・札幌GC輪厚C=7066ヤード、パー72)
44歳の内藤寛太郎(ロピア)が8バーディー、2ボギーの66で回って逃げ切り、福島県出身者で初のツアー優勝を果たした。通算25アンダーは1994年の尾崎将司、2024年の岩崎亜久竜の20アンダーを塗り替える大会記録。アマでデビューしてから22年339日での1勝は、ツアー史上最も遅い記録となった。20年以来6年ぶり2度目の日本シリーズJTカップ(12月3~6日、東京よみうりCC)出場を決めた。
はにかみながら、両手を上げた。ツアー参戦から20年。内藤が夢をかなえた。「今まで本当に苦しかったけど諦めないで続けてきてよかった。本当に長かった。勝てて良かった」。尾崎将司さんらの記録を塗り替える大会新での圧勝に、男泣きした。
前日のスタート前にぎっくり腰に見舞われた。前夜は2時間で目が覚めた。初の最終日最終組。痛み止めを服用し、緊張を受け入れながら戦い抜いた。2番でピン直撃のスーパーショットを繰り出すと、5番パー5はミスをチップインバーディーで補った。7メートルをねじ込んだ15番から3ホール連続で伸ばし、5打の大差をつけて振り切った。
3週前にパターをオデッセイ「タートル」のゼロトルク設計のモデルに変え「引っかけるミスが減った」。この日も2メートル前後のパーパットを何度も決めた。「入っていなければ何個ボギーがきていたか」。課題だったグリーン上の克服こそ最大の勝因。9ラウンド連続で60台を記録中だ。
食品スーパー「ロピア」に21年からサポートを受けてきた。優勝を見届けた高木勇輔前社長から「とにかくまじめ。この年齢までまじめにゴルフを続けた」とたたえられた内藤は「お世話になった人に恩返しができたと初めて思った」。周囲への感謝を口にした。
福島県勢初のツアー勝者になった。「ずっと言われていた。1番目に勝てて良かった」と肩の荷をおろした。2�\x93年から郡山市でジュニア向けのイベントを主催している。「僕が試合に出られなくなったら示しがつかない。いい報告ができる」と故郷を思った。
6年ぶり2度目となる日本シリーズJTカップ切符を手にした。「いつもその時期はQT(最終予選会)だった。そうか、今年は行かなくていいのか。うれしい」。酒が苦手で、はめを外すことを嫌う44歳。愚直にゴルフと向き合い続けた20年が、ようやく報われた。(高木 恵)
◆未勝利県は残り7 福島県出身者のツアー優勝は今回の内藤が初めて。優勝者を出していない都道府県は青森、富山、福井、鳥取、島根、岡山、大分の7県になった。優勝者輩出最多は東京都の29人。優勝回数は千葉県の152勝が1位で、徳島県の144勝が続く。
◆内藤が達成した記録
▽デビューから最長期間での優勝 アマチュア時代を含むツアーデビュー戦(2003年日本オープン)から22年339日は史上最長。これまでは市原弘大の18年223日
▽大会記録 通算25アンダーは1994年の尾崎将司、24年の岩崎亜久竜の20アンダーを塗り替える大会新
▽福島初 福島県出身者のツアー優勝は初めて
▽年長5位 44歳123日での初優勝は5番目

