苦手な人は、何としても避けたいのがバンカーショット、最も簡単な考え方とは?
石川遼選手とジョーダン・スピース選手、若くして注目されている2人の共通点は何でしょうか?
当時、15歳だった石川選手は「2007年マンシングウェアオープンKSBカップ」の17番でグリーン奧からのバンカーショットを華麗に沈めて、勝利を手繰り寄せました。
ジョーダン・スピース選手は「2013年ジョンディアクラシック」の18番で、プレーオフに持ち込むバンカーショットをピンに当てて沈めました。
2つの「スーパーショット」、今回はバンカーショットについて説明したいと思います。
アマチュアの皆さんにとって、嫌いなショットの上位に来るのが、バンカーショットではないでしょうか?
1回で脱出できれば最高。2回3回と連続して打ってしまうことも度々。バンカーを避けてプレーをしたいところですが、避ければ避けるほど、バンカー手前からのアプローチではボールはトップしてしまいバンカー内へ・・・。
誰もが嫌うバンカーショットを成功させ、チップインまで狙えれば、これほど嬉しいことはないでしょう!
それは、考え方1つで身につけることも可能です。
1)バンカーショットを考察してみると。
*低い位置
ほとんどのバンカーはグリーン面よりも低い位置にあります。グリーン面を低い位置から観察することができるため、ラインや落とし場所が読みやすいと言えます(ルートの検索)。また、低い位置のため、ボールを上げなければならず、エクスプロージョン(砂の爆発)が求められます。
*ボールを直接打つ必要がない
インパクトはボールではなく、砂に向かって行うことが求められるので、アバウトで良く、砂の取る量やフェース角によって球筋を変えることができます。
① | くの砂+オープンフェース | =高い球、近いピン |
② | ない砂+少しのオープンフェース | =低い球、遠いピン |
*スピンがかかる
ボールと砂とクラブの衝撃によりバックピン量が増します。また、上級者に見られる傾向として、入射角をコントロールし、フォロースルーのクラブの抜き方で、スピンや高さを調節している技があり、難易度の高さがうかがえます。
① | 高い入射角+多い砂 | =高い球+スピン(少) |
② | 低い入射角+少ない砂 | =低い球+スピン(中) |
③ | 高い入射角+少ない砂+高いフォロー | =スピン(多い) |
*様々な組み合わせが自由自在
スピードやフェース角、入射角、砂の取る量等が自由自在にできます。いろいろな組み合わせが可能なことが、バンカーショットの魅力でもあります。状況に応じて打ち方を調整するタイプと、同じ打ち方であらゆるバンカーに対応していくタイプがあります。前者は器用なタイプ、調子の波が影響します。後者は安定した結果、大きなミスは少ない傾向にあります。
*振り切れる
砂を打つショットであり、目安として3倍の強さでスイングしていいので、振り切れるメリットがあります。インパクトでスピード調整する心配が無く、テンポよく振り切れます。
*ボギーを覚悟出来る分、楽に打てる
バンカーに入れてしまった以上、1回は覚悟を決めます。ボギーでも仕方がないと思うことにより、下が決まり上を目指すチャレンジ精神が芽生えます。
これに比べて、花道からのアプローチでは、セーブして当たり前との思いが、プレッシャーとなる場合があり、バンカーの方が上手くいく精神構造がここにあります。
① | バンカーショット(ボギーでも仕方がない) | →思い切りが、好結果へ |
③ | 花道アプローチ(絶対にパーセーブ) | →緊張して、硬くなりミス |
*落とし場所に集中できる
砂をアバウトに打ちぬくバンカーショットだけに、インパクトのことよりも、落とし場所に集中できます。 上級者は、落とし場所、ボールの高さ、砂をはじく音、砂の手ごたえ、クラブヘッドの抜けを重要視します。その反面苦手な方は、悪い結果に怯え、なんとか成功させよう当てることだけを考え、萎縮してインパクトをむかえる傾向にあります。
2)世界標準なバンカーショット(方法)
- *ターゲットに対してスクエアなアドレス
- *ワイドスタンス
- *ハンドダウン
- *ハンドレイトの構え
- *アウトサイドバック
- *ハンドファーストオープンフェースインパクト
- *左脚体重インパクト
- *クラブを長く持つ
3)難しくしている理由
- *ハンドファーストで、シャットフェース
- *ボールに近く立つ
- *インサイドバック、シャットフェース
- *右脚体重インパクト
- *クラブを短く持つ
4)バンカーショットを成功させるための注意点
*砂質とバンスの使用法
硬いバンカーは、バンス角がはじかれる恐れがあるので、あまりフェースを開かないほうが上策です。柔らかいバンカーは、フェースを開かないと、クラブが砂の中へもぐってしまい、ボールが飛ばないので注意が必要です。
*雨あがり
水分を含んだバンカーは、インパクト衝撃の伝達力が良く、ボールが比較的良く飛んでしまう傾向があります。少し手前から転がってよるイメージで臨みましょう。
*近いバンカー、遠いバンカー
56度のSWクスプロージョンショットの限界距離は、25~30ヤードとした場合、それ以上の距離に対応するには、AWやPWを開いてショットする場合と、SWで直接クリーンに打つ場合があります。
もっとも簡単で効果的な距離の内訳方法は、右肘の使用方法です。遠いバンカーは入射角を浅くするために、右肘を遠くに。近いバンカーは入射角を鋭角するために、右肘を近くに上げていきます。
5)絶対に避けなければいけない方法
*クラブフェースを閉じ気味に構え、インサイドへバックスイング
→ 砂を多く取ってしまい、飛ばない
→ アウトサイドへオープンフェースで上げます。
*ボールを上げようとして、右脚体重
→ インパクト前にクラブヘッドが上昇してしまいトップミス
→ 左脚体重で構え、クラブヘッドを砂へ打ち込むまで上を向かない。
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◆小暮博則(こぐれ・ひろのり)
1972年11月27日生まれ。埼玉県出身。明治大学商学部商学科卒業。JGTO(日本ゴルフツアー機構)プロ。PGAティーチングプロ。2003年 JGTO ファイナルQT進出。2013年から東京慈恵会医科大学ゴルフ部コーチに就任している。就任後、同大学は2013年度全日本医科大学ゴルフ連盟秋季大会個人優勝、2014年度全日本医科大学ゴルフ連盟春季大会団体優勝を果たす。PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)のゴルフスクールを主宰し、赤坂(東京都)と小手指(埼玉県)にて展開している。 著書に『一生ブレないスイング理論 “左重心スイング理論”でゴルフの常識が変わる』(カンゼン)がある。
PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)ゴルフスクール
http://pfga.co.jp/