国内男子ゴルフのメジャー第2戦、日本プロ選手権日清カップヌードル杯(報知新聞社後援)は7日から4日間、北海道クラシックGCで行われる。約5か月ぶりに実戦復帰する石川遼(24)=カシオ=は6日、同GCで18ホールを回って最終調整した。練習ラウンドではドライバーショットが安定せず「大きなことは言えない」と本音も吐露。新スイングに不安を残しながらも「弱気な自分に負けちゃいけない」と復帰初戦での活躍を誓った。
白いセーターにパンツ。爽やかなウェアとは対照的に、最終調整を終えた石川の表情には陰りが見えた。会見での第一声。「正直、あまり大きなことを言える状態ではない」と絞り出すように言葉をつないだ。
不安要素はドライバーだ。練習ラウンドでは左に曲げるミスが目立った。序盤から曲げ続け、最終18番では隣のホール近くまで。4日に使用したドライバーを5日から変更。シャフトも約20グラム軽いものに替えるなど、試行錯誤を繰り返している。
2月以降、静養の原因となったのが腰痛だった。リハビリを乗り越え、4月から練習を再開したが「スイングは腰への負担を少なくしないといけない」と修正を余儀なくされた。スタンスやボールの位置だけでなく、ドライバーのシャフトは20種類以上もテストした。腰痛の再発を防止しながらのスイング改造は、至難の業だった。人一倍多かった練習量も減らした。「フルショットで練習ができたのは4月下旬から。飛距離は自信ない」。練習再開から3か月足らず。4日間続けてラウンドしたのも1度だけ。不安は当然だろう。
それでも王者の技は健在だ。552ヤードの16番パー5。1、2打目とも3Wを使ってグリーン手前まで運び、約20ヤードの3打目を5センチに寄せた。日本ツアー通算13勝の実力は疑いようがない。「地元のコースでは平均で68とか69で回っていた。ドライバーは全然だめでも、アイアンからパッティングまでで組み立ててきた」と自信をのぞかせた。
「弱気な自分もいる」と認めた上で「そういう自分に負けちゃいけない。挑戦しがいがあるコース」と語気を強めた。険しい表情に再出発への覚悟が見えた。(高橋 宏磁)