勇太困った…ウエア届かない リオ渡航自腹、JOC準備不足


成田空港から全米プロ、リオ五輪出場のため出発した池田

成田空港から全米プロ、リオ五輪出場のため出発した池田

 男子プロゴルフの池田勇太(30)=日清食品=が24日、成田空港から今季メジャー最終戦の全米プロ選手権(28日開幕・バルタスロールGC)とリオ五輪(8月11~14日)へ向けて出発した。112年ぶりに復活する五輪でのメダル獲得を目標に掲げた一方で、日本オリンピック委員会(JOC)側の準備不足に、困惑と不安の表情を浮かべた。

 上下白いジャケットとパンツ姿で早朝の空港に登場。他競技選手はリオ出発の際に公式ウェアを着用するが「(JOCから)渡航用のウェアがまだ届いていない。スニーカーやアウターも」と苦笑い。五輪の公式用具を持って渡米するため、全英オープンから20日に一時帰国。だが、この日までにバッグ、ポロシャツ、スパイクしか届かず、自前の服装での渡米となった。

 開会式(8月5日)出席も断念せざるを得なかった。今月11日に代表決定後、全米プロ経由でのリオ入りを考え、8月4日に到着可能な便の航空券手配を、JOC側に打診。だが、特定の航空会社や経由地しか認められず却下された。「大変残念。20年東京五輪で伝えるためにも出席したかった」と悔しさをあらわにした。結局、キャディー、トレーナーの分も自費で便をおさえて渡航することにしたという。

 渡航前日の23日、ゴルフを始めるきっかけになり、昨年5月に他界した祖父・直芳氏(享年85)の墓参りをした。「生きてるうちに見せたかった。天国から応援してくれ」と手を合わせた。「五輪はメダルを取ることを意識して闘いたい」。気持ちを整えるように話し、飛び立った。(榎本 友一)

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